荒れ狂う戦場
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を問いかける。
「もしかして予知で何か見えた?」
「えぇ・・・最悪の未来がね」
シャルルが見たのは多くの人々が倒れている中傷一つなく立っている髪を後ろに流している男、吹雪の中動かないグラシアンさんを見て号泣するスティングさんとローグさん。そして極めつけは・・・
「顔が見えない強大な悪?」
シャルルの予知ですら顔が見えないらしいその男。何かで顔が隠れているわけではなく、シャルルの予知能力ですら透視ができないほどに強大な魔力を持っているらしい。
「このままだと、みんな死ぬわ・・・どうすれば・・・」
止めた方がいいのか、彼女は迷っていた。俺はそんな白猫の頬をつねる。
「心配するな、俺たちは絶対に負けたりしない。お前の予知なんか、覆してみせる」
対策があるわけではない。それでも俺はやれると思っている。それだけこの一年で、俺たちは成長してきたのだから。
「・・・そうね」
それ以上シャルルは何も言わなかった。彼女の不安を取り除くことができたのかはわからなかったが、気持ちが落ち着いた彼女を引き連れ、俺たちは明日に向けて深い眠りについたのだった。
第三者side
翌日、ハルジオン港ではすでに激しい戦いが繰り広げられようとしていた。
「今日こそハルジオンを奪還する!!進めぇ!!」
先頭では蝶の模様がある着物を着ているカグラを指揮を取っている。その姿を見てディマリアは昨日のことを思い出しニヤついていた。
「昨日あれほどいじめてあげたのに元気だこと」
女性としてあってはならない辱しめを受けたにも関わらず果敢に挑んでくる彼女を見てまた今日も遊ぼうかどうか迷っていたディマリア。その横を、天海が駆け抜けていく。
ダンッ
地面を強く蹴って一瞬でカグラの目の前に現れた天海。これにカグラは気が付いたが、反応が追い付かない。
「カグラ!!」
仲間の叫び声が聞こえる。天海の足が自らの体を貫こうとしたその時、間に割って入る小さな影。
ガンッ
ぶつかり合う足と足。天海の攻撃を防いだのは氷の神ことレオンだった。
「不意打ちとは随分なことするな」
「安心しろ、お前なら反応できると思っていた」
お互いに蹴りを打ち出し距離を取る。この二人の戦いに巻き込まれまいと、アルバレス軍もフィオーレ軍もその場から離れていく。
「貴様、昨日は全力で戦っていなかったようだな」
「・・・」
天海の問いにレオンは答えない。彼の言う通り全開では戦っていなかった。しかしそれは、アルバレス軍の兵隊を倒すために力を使っていたから。今日は昨日のようにはいかない。
しかしそのことは天海もよくわかっていた。
「今日は本気で戦え
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