荒れ狂う戦場
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れているものの一切情報を口外しようとしない。彼らが拷問をしないことがわかっているのか、余裕の表情すら浮かべていた。
「俺が拷問するよ。慣れてるし」
「やめろ。それでは奴等と一緒になる」
シリルと共に相手に口を割らせることが得意になってきたレオンの提示をリオンが退ける。しかし、レオンはそれしか方法はないと食って下がっていると、突然テントに大慌てでラミアの仲間が入ってきた。
「リオン!!大変だ!!」
「どうした?」
「おい!!お前見張りはどうしたんだ!?」
彼はナインハルトの見張りを担当していたうちの一人。彼がここにいては見張りが手薄になっているのではと尋ねると、あることに気がつく。
「お前・・・なんだその血は・・・」
衣服に付いている血痕。しかし、それは彼のものではない。リオンが聞くと見張りの人物は申し訳なさそうに口を開いた。
「捕虜にしてた16の奴が・・・殺されたんだ」
「「「「「!?」」」」」
いきなりの報告に訳がわからずリオンたちも捕虜を捉えていた場所へと急ぐ。そこに付くと、彼の言っていた通り捕虜が殺されており、共に見張りをしていたうちの一人も血の海に沈んでいた。
「・・・誰に殺されたんだ?」
「わからねぇ・・・ただ、黒装束を着ている奴で、“ティオス”って呼ばれてた」
「ティオス・・・」
聞いたことのない名前に全員の不安が高まる。そいつが何者なのかわからない限り、安息の地はない。
「・・・みんな、疲れているところ悪いが見張りの数を増やす。そう伝えてくれ」
「わかった!!」
慌ただしく動き回る仲間たち。レオンはそんな中、手のひらから血が出てくるほどに拳を強く握り締めていた。
「ティオス・・・誰だか知らねぇが、絶対許さねぇぞ」
怒りに震える少年に同調する仲間たち。不安が脳裏を過る中、彼らは明日のための作戦会議へと戻っていった。
その頃妖精の尻尾の地下では、ある異変が起きていた。
ヒュンッ
牢屋に捉えられていたアジィール。その牢屋の中に瞬間移動してくるものがいた。
「いい様だな、アジィール」
「ティオス」
魔封石によって魔法を封じられているアジィールの元に現れたのは北部にいるはずのティオス。いるはずのない人物の登場に驚いたアジィールは、彼の方を睨み付ける。
「そう怒るな。俺はお前を助けに来たんだぜ」
「助けに・・・だと?」
アジィールはその言葉を信じることができなかった。元々ティオスは彼らの敵であるため、その気持ちもわからなくはない。
「あれ?ブランディッシュは?」
「あいつなら死にかけて地上に連れていかれたぞ
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