ペルソナ3
1977話
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俺の行動を遮るように、タカヤの口から言葉が出る。
俺にとってはそこまで気にするような事ではない言葉だったが、ジンにとっては重要な言葉だったのだろう。
一触即発というその空気が消える。
「タカヤ、何で……」
「私の心配はいりません。それよりも、私の事を思うのであれば、しっかりとして下さい。ストレガは任せましたよ?」
「っ!?」
タカヤの口から出た一言が、どのような意味を持っていたのかは俺にも分からない。
だが、その一言でジンの態度が変わったのは間違いのない事実だった。
そうして、何かをこちらに見えないように手渡す。
……それを咎めるのは簡単だったが、ここで迂闊に問題を起こせば間違いなくこれまでの流れがご破算になる。
イレギュラーシャドウがいる状態でそのような事になるのはちょっとごめんなので、取りあえずそのままにしておく。
後で、美鶴……いや、武治辺りに報告しておけば問題はないだろう。
「分かった。ほな、この辺で失礼させてもらうで」
そう言い、去っていくジン。
それを見送りながら、俺は改めて美鶴に視線を向ける。
「おい、本当に放っておいていいのか? あからさまに何か企んでいたぞ、あいつ」
あれだけタカヤが捕らえらるのが納得出来ない様子だったのに、タカヤがストレガを頼むと言っただけであっさりと引き下がった。
これは、どう考えても何か企んでいるとしか思えない。
「うむ。アクセルが考えている事は私も理解しているが……だからといって、あのまま戦いになるよりは良かったと思うんだが」
「……そうか?」
俺は寧ろ、さっさとジンの手足を骨折させて病院に送り込むのがベストだと思うんだが。
もっとも、本当の意味での最善となると、タカヤをここで殺してしまうという手段なんだが。
「ともあれ、だ。……タカヤがこっちに降伏したが、これからどうする? イレギュラーシャドウの件もあるが、このままタカヤを連れてイレギュラーシャドウに戦いを挑むって訳にもいかないだろ?」
そうなれば、足手纏いを抱えて戦いを挑む……どころではなく、獅子身中の虫を抱えて敵に挑む事になる。
タカヤの性格がはっきりと分かった訳ではないが、それでもチャンスと考えれば何らかの行動を起こしても不思議ではない。
ましてや、タカヤがどんなペルソナ使いなのかも分かっていない以上、そんな人物を戦闘に連れていくのは絶対にごめんだ。
だからといって、タカヤを見張るにしても、少人数では何があるか分からないのは痛い。
タカヤが何を考えてこっちに投降するような真似をしたのか、それは俺にも分からない。分からないが……だからといって、そのままにしておく訳にもいかない。
となると、最善の手段として考えられるのは……
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