ペルソナ3
1977話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ンだったが、そのタカヤの方は至って平然とした様子でジンの方を見ている。
そして、降伏するとまで言われては、もうここで殺すような真似は出来ないだろう。
向こうが降伏の意思を示しているのに、俺が殺すような真似をすれば、明らかに俺が責められるのは間違いない。
いや、責められるなんて簡単な事ではなく、もっと致命的な結果をもたらすだろう。
ちっ、幾ら美鶴が止めたとはいえ、あのまま一気に仕留めるべきだったな。
……いや、俺にはまだ美鶴達に話していない能力が幾つもある。
それを使えば、それこそいつでもタカヤを始末する事は出来るだろう。
なら、無理に今やらなくてもいいか。
それに、タカヤが大人しくこっちの話を聞くかどうかは分からないが、それでも何か情報を持っている可能性は決してゼロではないのだから。
「お前が何を企んでるかは分からないが、俺にはいつでもお前を殺せる。それを忘れるな」
そう告げ、タカヤの背中……心臓の裏に突きつけていたゲイ・ボルグの穂先を引く。
それを見たゆかりや美鶴、他の面々も見るからに安堵しているのが分かった。
普段は面倒臭いとか、どうでもいいとかを口癖にしている有里ですら、安堵している様子が見えた。
「ちょっ、待てや! タカヤをお前等に渡すと、本当に思っとんのか!」
既にタカヤがこちらの捕虜になるというのが決定事項であるかのような俺達の言動に、ジンが不満も露わに叫ぶ。
そんなジンに、俺はタカヤの背から放したばかりのゲイ・ボルグの穂先を向ける。
「タカヤが交渉でお前の命を助けたんだ。そうである以上、お前がここで騒いでも意味はないと思うが? それとも、お前1人で俺達全員と戦うつもりか? まぁ、それならそれで、手間が省けていいんだが」
美鶴はタカヤを捕虜にすれば、ジンは見逃してもいいと考えているのか、先程のタカヤの条件に異論を唱えたりはしていない。
だが、タカヤ程ではないにしろ、タカヤに心酔しているだろうジンを放っておくというのは、後々間違いなく災いになる筈だ。
であれば、やはり可能ならここで殺す……とまではいかずとも、数ヶ月は病院に入院して貰うのが最善だ。
いやまぁ、本当に最善なのはやっぱりここで命を奪っておく事だろうが、タカヤならともかく、その部下のジンまでわざわざ殺すのは正直どうかと思うし。
俺は必要があれば殺す事に躊躇いはないが、だからって人を殺すという行為を楽しんでいる訳ではない。
「タカヤを見捨てる訳にはいかへん」
ジンが俺を鋭く睨み付ける。
それは、絶対に退かないと、そのような決意の込められた視線。
向こうが退かないのなら、こっちも相応の対応をするだけだ。
そう思い、ゲイ・ボルグを握り……
「ジン」
そんな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ