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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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Sentention;宣告
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立場から糾弾されるかもしれない。
だがカエル顔の医者は、そしてもうあの少年自身、《その段階》はもうとうに過ぎているという共通見解に至っている。治る治らないではなく、あとは対症療法くらいしかやりようがないのだ。
何せ、電話口の声が言う通り、あらゆる体内器官が一斉に、一気呵成に生に向かってそっぽを向いたのだ。
臓器も骨も筋肉も、皮膚や神経に至るまで均等に悪くなっていく。肺は酸素を取り込まなくなり、肝臓はグリコーゲンの合成をやめて解毒しなくなっている。神経は脳から送られてくる生体電気を介した情報伝達を放棄し始め、大食細胞が暴走して全身の細胞は喰い尽くされる勢いだ。その中でも、たとえば筋肉だけをとれば筋ジストロフィー、神経ならば
筋萎縮性側索硬化症
(
ALS
)
のように、個別ならばいくらでも
病名
(
こじつけ
)
は出てくるだろう。
だが、それらが全部並列して襲い掛かってくるなど聞いたこともない。
天文学的な確率で、それらどれか一つとっても難病指定されている病が一斉に発病した可能性はあるが、さすがに医者もそこまで神様に愛されていない人間がいるとは思ってない。
あの少年があんな身体になった理由。
それは――――
「ALO……だったっけ?」
『……よくもまぁ信じたな、あんな与太話』
「それを決めるのはこっちだよ。それに知ってるかい?精神科の医者が初めにすることは、患者の話を大真面目に聞くことなんだね?」
あれ?先生って精神科もいけるんだ?と言う電話口の声は無視し、カエル顔の医者は続ける。
「確か、
心意
(
インカーネイト
)
システムというのは君が仕掛けたものなんだって?意志が事象を
上書き
(
オーバーライド
)
する……にわかには信じがたい内容だったが、君の作品なら何でもアリだろうね?」
『おいおい、先生。俺が聞きてぇのはそんな大前提じゃねぇよ。結論を言おうぜ、お互いそんなにヒマじゃねぇんだからよ』
真っ白な診察室。
だが、机に向かって項垂れるように俯く医者の顔は濃い影が落ちてよく見えない。
見えなかった。
「彼は……、小日向蓮は――――《
人
(
・
)
間
(
・
)
》
を
(
・
)
辞
(
・
)
め
(
・
)
よ
(
・
)
う
(
・
)
と
(
・
)
し
(
・
)
た
(
・
)
。今彼の身体に起こっているのは、その副作用だ」
『は』
明確な返答はなかった。
ただ吐き捨てたような、ともすれば愉しげな嗤い声のような、そんな音が受話器の向こう側で漏れる。
具体的にその内容まで気を回さないようにしながら、カエル顔の医者はあくまで静かに続けた。
「小日向蓮君の言う事を統合するならば――――ゲームの中で、彼は自身の力では到底及ばない敵に出会った。そしてその時、どうしても敵わないソレに敵おうとするにあたって自分を根底
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