第三章
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「あんた本当に妹さんに頭が上がらないのね」
「否定出来ないな」
「何でなの?あんたの方がずっと年上で身体も大きいのに」
「おいおい、歳とか体格の問題じゃないだろ」
「どういうこと?」
「女の子だぞ、というかそんなことで威張れるかよ」
年齢や体格でとだ、武は玲菜に少し真面目な顔になって言った。
「人間中身だろ」
「中身がどうかで」
「そうだよ、自分が年上だとか力が強いとかで威張るとかな」
「あんたそうした人間じゃないからね」
「ああ、弟もでな。妹は俺や弟の為を思って言ってるしな」
「お母さんみたいだったわね」
「実はうちの家コンビニやっててな」
武はここで自分の家のことも話した。
「駅前のな」
「ああ、あそこのコンビニね」
玲菜もそのコンビニが何処かわかった、駅前のあの店だとだ。
「あそこあんたのお家のお店だったの」
「コンビニって夜もやるだろ」
「それでなの」
「結構親父もお袋も店に出てるからな」
「家は子供だけになって」
「そうした時は妹が母親代わりになって俺や弟の面倒見てるんだよ」
「しっかりしたいい妹さんね」
家事をあまりしない自分と違ってとだ、玲菜は心から思った。
「それはまた」
「そうだろ、それでな」
「妹さんが家事を全部してくれてるから」
「あと間違ったことも言わないからな」
「それでなのね」
「俺も弟も妹に頭が上がらないんだよ」
武は少し苦笑いになって玲菜に話した。
「料理だって美味いの作ってくれるし便所や風呂の掃除だってしてくれるしな」
「本当にしっかりした妹さんね」
「そうだろ?だからな」
「あんた妹さんに頭が上がらないのね」
「そうだよ、まあ別に妹に頭が上がらなくてもいいだろ」
「まあね、実際かかあ天下の方が家庭はいいっていうし」
玲菜はよくこう聞いている、家庭というものは奥さんが強い方が上手くいくというのだ。亭主関白よりも。
「だからなのね」
「俺はそれで困ってないしな」
「そうなのね」
「ああ、別に誰に言われてもな」
妹に頭が上がらないことをというのだ。
「俺は気にしないしな」
「それじゃあ」
「ああ、家庭円満だしな」
「成程ね、謎は解けたわ」
玲菜は納得した顔で頷いて言った。
「あんたのね」
「謎だったんだな」
「私としてはね、けれどしっかりした妹さんだし」
「それでだよな」
「ええ、これからも妹さんの言うこと聞いた方がいいわね」
「俺もそう思うよ、それじゃあな」
「ええ、それでね」
「家族仲良く暮らしていくよ」
「それがいいわね」
玲菜は武のその言葉に笑顔で頷いた、そしてだった。
武はその日家に帰っても妹の言うことを素直に聞いて暮らしていた、それで彼は困ることなく幸せに暮らしていった。玲菜か
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