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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第八十九話 ブラウンシュヴァイク公の憂鬱な日
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オフレッサー邸が襲撃を受けたのじゃ」

「その様な話、初耳ですが?」
「うむ、事が事だけに箝口令をひいておいたのじゃ」
「お父様、その襲撃が何故我が家に関係してくるのですか?」

「襲撃犯を操っていたのが、憲兵隊副総監クラーマーであったのじゃ」
しかしクラーマーが犯人であっても我が家との関係は精々パーティーで会ったぐらいだ。
「お父様、クラーマーなる者が我が家と何の関係がありましょうや?」

「クラーマーを捕らえて尋問した際、ブラウンシュヴァイクが示唆したと告白したのじゃ」
何と言うことだ、身に覚えにないことであるし、陛下には確りと説明しなければ成らんな。
「貴方!それは本当なのですか!」
アマーリエよあまり怒るな、怖いではないか。

「陛下、大神オーディンにかけて、臣はその様な事を一度として命じたことはございません」
「お父様。夫もこう言っています、その者が夫を落とし入れようとしているのではありませんか?」
「アマーリエ、予もそう思いたかったが、悲しいが証拠があるのじゃ」

陛下が、端末のスイッチを入れるとモニターに画像が流れ出す。
クラーマーが尋問を答える姿が映るが、何だとヨアヒムと儂が示唆したと話して居るではないか。
妻を見ると、更に段々不機嫌になっていくのが判る、妻は癇癪持ちだからまた怒られるではないか。

「貴方!フレーゲル男爵と共謀して示唆したと言っていますが!本当なら早く言いなさい!」
「陛下、示唆など身に覚えがございません。確かに甥にオフレッサー大将を何とかして欲しいと相談は受けましたが、諦めよと諭しております」

精一杯反論せねば、陛下も妻も怖いわ。
「卿の甥、フレーゲルの会話を密告してきた者がおってな、それに驚くべき事があったのじゃ」
ヨアヒムだと、まさか勝手なことをしでかしたのではあるまいな。

陛下がまたスイッチを押し画像が流れる。

そこには、甥であるヨアヒムが勅命を無視して、オフレッサー邸を襲撃させる企みを話し合う姿が、撮されている。更にその原因が単に楽をしたいだけと言う、呆れるほど馬鹿な理由であるのが情けない。
しかし、勅命無視は謀反と同じ、何と言うことをしてくれたのだ!

しかも、儂が何とかしてくれるだと!幾ら亡き妹の子とは言え、甘やかして育てすぎたのか、儂の教育が間違っていたのは今更ながら後悔しても仕切れない。
我が家の歴史も儂で終わりやもしれんが、エリザベートには罪が行かぬようにお願いしなければ成らん。

「お父様、フレーゲルが主犯であるならフレーゲルを処刑すれば宜しいのではありませんか?」
アマーリエ、そうはいかんのが、貴族というモノであろう。
「陛下、甥フレーゲルがあの様になったのは、私の監督不行きでございます、如何様な罰も受ける所存なれど
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