第二章
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「ええな」
「はい、その時はです」
「わし等もすぐに連絡します」
「そしてです」
「その時は宜しくお願いします」
「そうしてな」
こう言ってだ、功は会議に出た。会議の時は経営のことを考えていて定佳のことは奇麗に忘れ去っていた。
だが定佳はとかく功を攻撃し続けていた、彼が思い込んで真実と思っていることを書き殴った。彼が攻撃している他の面々に対して以上に。
しかし功は彼を一切気にしないままだった、経営者としてそして大阪二十六戦士として働き続けていた。
そうしていってだ、何度も定佳そして週刊キムヨウビのことを聞いたが聞いてもその次の瞬間には忘れ去っていた。
それでだ、定佳達のことを話す周りは功本人に何故いつも彼等のことを聞く度に忘れてしまうのかを聞いた。
するとだ、功はこう答えた。
「その人等経営や大阪の安全に関係あるか?」
「グループや大阪の街、市民の人達に」
「関係あるかどうかですか」
「そや、何か害を及ぼすんか」
その定佳達がというのだ。
「ただ悪口言うてるだけやろ、僕の」
「はい、それだけです」
「もうあることないこと」
「それだけです」
「テロとかしてません」
「皇室や北朝鮮のことでアホなこと言うてますけど」
「それで叩かれてますけれど」
もっと言えば功への誹謗中傷でも批判されている、自称毒舌家で辛口の批評家だが世論の評価は運動家あがりの罵り芸だけの輩だ。
「テロはしません」
「まあ運動家と関係はあるかも知れませんけど」
「社長のグループや大阪にはです」
「テロとかはしてません」
「それやったら何でもないわ」
功の悪口をどれだけ言ってもというのだ。
「別にな」
「そうですか」
「そやからお話してもですか」
「忘れるんですか」
「そうなんですか」
「そんな奴気にしても何もならんわ」
功の返事は素気なくすらあった。
「そやからな」
「いつも忘れるんですか」
「そうですか」
「僕にとってその程度の人間っちゅうことやろな」
その定佳はというのだ、そしてこの時もだった。
功は定佳のことはすぐに忘れた、後日定佳がお仲間である運動家との付き合いで大阪に行って平和を叫ぶデモに参加していると。
そこにたまたま功が一人で通りがかった、定佳も彼のお仲間達も功の全身から湧き出る大阪二十六戦士ならではのオーラに圧倒されて立ちすくんだが。
功は彼等に気付かなかった、あとでそこに定佳がいたと聞いてもだった。
「そうなんか」
「それだけですか」
「ああ、どんな奴がおったかわからんかったわ」
定佳の顔すら見ていなかった、最初から覚えてもいなかったこともあり。そうしてこの日も彼は自分のグループと大阪の為に全力で働いた。
歯牙にかけるまでも 完
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