第四十四話 二人でお外に出てその一
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第四十四話 二人でお外に出て
私は阿波野君と一緒にお外に出ました、本来は久し振りの実家で周りも懐かしい光景なのですが。
隣の阿波野君を見てです、目を少し顰めさせて言いました。
「別に何処案内してもいいのよね」
「はい、何処でも」
「じゃあ動物園行く?」
何となくこう言いました。
「あそこに行く?」
「動物園って神戸市の?」
「いえ、私の通っていた学校にあるんだけれど」
「あっ、八条学園の」
「あそこは保育所から大学院まであって」
高等部も大学も沢山の学科、学部があってです。
「それで動物園も植物園もあるのよ」
「あと水族館、博物館、美術館それに鉄道博物館もですね」
「そういえば前にお話したわね」
「はい、それで覚えてました」
「そうだったのね」
「凄い学校ですね、ただ今回は遠慮します」
「行かないの」
「実は前に来た時に一通り回ってまして」
「そうだったの」
「何日かかけて」
そうしていたというのです。
「ですから」
「そうあの、じゃあ他の場所がいいの」
「プールとか」
笑ってこんなことを言ってきました。
「どうですか?」
「だから行かないって言ってるでしょ」
私は怒って言い返しました。
「人の話聞いてる?」
「はい、聞いてます」
「ならどうしてそう言うのよ」
「いえ、暑いですから」
「それはそうだけれど」
それでもです。
「行かないわよ」
「そうですか」
「そう、水着になることは」
本当に心からです。
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