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ドリトル先生と奈良の三山
第八幕その四

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「そっちの蟹食べてる?」
「ワタリガニとかケガニとかズワイガニとかじゃなくて」
「そっちの蟹もなの」
「今も食べているの」
「そうだよ、たにしとかもまだね」
 こちらの田んぼにいる貝類もというのです。
「食べてるよ、泥鰌とかもね」
「ふうん、そうなの」
「僕達まだ食べてないけれど」
「そちらも食べる機会あるかしら」
「沢蟹を」
「あとたにしとか泥鰌も」
「泥鰌は関東でよく食べられるよ」
 そちらでとお話する先生でした。
「あちらでね」
「ふうん、関東ね」
「あっちでなの」
「よく食べてるの」
「そうなの」
「まあ関西でも食べられない訳じゃないから」
 それでというのです。
「安心してね。それとね」
「それと?」
「それとっていうと」
「沢蟹とかたにしとかもね」
 先生はお豆腐を食べつつ皆にお話します。
「神戸でも食べらるし奈良にもそうしたお店あったかな」
「じゃあ明日にでも行く?」
「明日から三山を見て回るけれど」
「そのついでに」
「そうする?」
「そうしようかな」
 実際にというのです、皆も。
「これから」
「いいね」
「じゃあそうしてみよう」
「先生と一緒に食べてみよう」
「沢蟹とかにしも」
「出来たら泥鰌も」
「最近確かにそうした食べものは食べられることが少なくなったよ」
 ここでこう言った先生でした。
「冷凍技術が発達して海の幸が何処でも食べられる様になったしね」
「今の僕達もだしね」
「お刺身食べてるしね、鮪やハマチの」
「そう考えるとね」
「川の幸はね」
「食べられなくなるわね」
「うん、川の幸は相変わらずあるけれど」
 それでもというのです。
「日本人の下にね」
「海の幸が合っていて」
「そちらがメインになって」
「お刺身とかもね」
「食べるからね」
「それで」
「そうだね、川の幸はあたると怖いし」
 このこともあってというのです。
「食べられなくなっていったんだ」
「今は」
「そうなったの」
「それで沢蟹もたにしも」
「泥鰌も」
「昔は鮒や鯉もよく食べられていたんだ」
 そうだというのです。
「これがね」
「今以上に」
「そうだったんだよね」
「先生も前に言われてたけど」
「そうだったの」
「沢蟹とかも」
「うん、けれど思い立ったらだし」
 だからというのです。
「ここはね」
「そのお店に行きましょう」
「明日にでも」
「是非ね」
 先生も笑顔で応えました。
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