第八幕その三
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「帝でね、そして額田王って人のね」
「その人どんな人なの?」
「お名前からして皇族の方よね」
「日本の」
「そうだよ」
まさにというのです。
「女性の方で絶世の美人だったそうでね」
「へえ、そうなの」
「やっぱり皇族の方だったのね」
「それで美人であられたの」
「その天智帝と弟さんの天武帝との三角関係があったそうでね」
恋愛、それも複雑なものだったというのです。
「天武帝は当時は大海皇子といったけれど」
「確か天智帝が中大兄皇子で」
「それぞれそうしたお名前だったわね」
「うん、そのお二方との間でね」
「額田王を巡って」
「恋の鞘当てがあったの」
「鞘当てというか取り合いというか凄いね」
何というかというお顔でお話する先生でした。
「言い合いになってもいたらしいよ」
「そうだったんだ」
「それでなんだ」
「喧嘩にもなって」
「凄かったんだ」
「ご兄弟で」
「そうしたお話もあって」
それにというのです。
「後山上憶良という歌人さんもいて」
「その人も恋愛の歌を詠ってたの?」
「そうだったの?」
「この人は苦しい暮らしや子供への想いを詠っていたんだ」
そちらをというのです。
「そちらで素晴らしい歌を残しているよ」
「あっ、当時の日常も詠っていたっていうけれど」
「そちらの方を詠っていたの」
「そうだったの」
「そうなんだ、それとね」
さらにお話する先生でした、ここでそのお店奈良のお酒が飲めるお店に入りました。そしてそこの一室に案内してもらってです。
お酒と肴を楽しみながらとなりました、先生はここでまたお話をするのでした。
「食べものの歌もあるんだ」
「へえ、そうなんだ」
「そちらの歌もあるの」
「日常も詠ってるっていうけれど」
「そちらもなの」
「そこから当時の暮らしもわかるしね」
先生は日本酒を飲みつつ皆にお話します。
「鰻とか沢蟹を食べていたこともね」
「ああ、鰻ね」
「鰻って昔から食べられていたの」
「そうだったの」
「そうだよ、鰻もね」
そちらもというのです。
「当時から食べられていたんだ」
「成程ね」
「じゃあ当時から蒲焼にしてたの?」
「鰻丼を食べたの?」
「いや、どっちもなかったと思うよ」
そこはとです、奈良の山菜の天麩羅を食べつつお話する先生でした。
「お醤油も普及してなかったし」
「たれに使うね」
「それもメインで」
「炭も金具もなかったから」
江戸時代にはあったそういうものもです。
「お椀だって違ったし」
「だからなんだ」
「江戸時代みたいになの」
「蒲焼や鰻丼じゃなかった」
「鰻は食べていても」
「そうだよ、あと沢蟹は今も食べてるね」
「そう?」
皆こちらの蟹についてはこう言い
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ