EX回:第46話<ブルネイ提督と技師>
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てブルネイの横に座っているメガネをかけた小柄な男。いかにも技術屋っぽい。そんな私の視線に気づいたブルネイは言った。
「彼が今回の我々側の技術担当です」
「よろしく、お願いします」
立ち上がった彼は頭を下げた。背は低く丸顔で童顔だが理知的な顔はしている。頭は良さそうだ。彼は『技師』と、しておこう。
技術参謀は彼に聞いた。
「試作計画も、ほぼ問題ないようだな」
「はい、普通に使う場合は、そうです」
(なんだ?)
技師が言う『普通に使う』という言葉に引っかかる。
こういう言葉にも敏感な青葉さんや夕張さんが少し表情を曇らせている。
もちろん単語として問題があるわけではないのだが……。
(艦娘も意外に敏感だからな)
私は、この技師は、まだ艦娘の扱いが不慣れなのだろうと思った。
彼は資料を見ながら続ける。
「やはりまだ戦艦などは不安定です。駆逐艦は比較的安定しているのですが」
(だから安定とか不安定とか、なんだ?)
気になる。あとで技術参謀かブルネイに聞いてみよう。
技師は窓際に立っている五月雨を指して説明した。
「あの五月雨タイプが最も安定します」
私は、その言葉が引っ掛かった。
(五月雨タイプが安定?)
つまり、あの娘は既に量産化されていたのか?
私が振り返ると、その五月雨と目が合った。彼女は直ぐに微笑んだ。
(……うむ、やはり艦娘は完全な「機械」でも無いようだが)
何か、複雑な思いだった。
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