4 語学はとても難しい。
[8]前話 [2]次話
オレから去っていった零杏を見つめていると、不意に後ろに気配を感じた。
_「万斉、見てたのか。」
_「チッ、バレてたでござるか。」
と隣には万斉が立っていた。
コイツも同じ、スリザリンの寮にいる。
コイツの実家も、悪魔族だ。
_「バレバレだぜェ?もっとマシな隠れ方できねェのかよ。」
_「それより晋助、彼女はグリフィンドールの者ではないでござるか?」
_「あァ。そうだが?」
_「彼女は、例の双子なのでござるか?」
_「さァな。詳しくは麗奈に聞けや。」
_「ではなぜ、彼女がグリフィンドールなのだ?
彼女の血統ならば、由緒正しくスリザリンに入るはずだったでござる。」
_「さァな。寮の決定権は組み分け帽子様にすべてを委ねられてんだぜェ?
いくらオレでも対処しきれねェよ。」
_「だが、麗奈さまは零杏殿を探しておられる。零杏の能力が開花する前に、早く連れてこい、との仰せでござる。」
_「双子の片割れ、ねェ…。いくら零杏と双子であれ、麗奈は零杏の妹だ。
このままだと麗奈が王にならァな。しかも今の状況は、悪魔族側が強い。そう焦らずとも、
しばらくはどう、ってこともねェだろうよ。」
_「だが、零杏殿はあの通り、全てに秀でているでござる。文武両道、と言ったところか。
彼女が白の騎士団に入れば、もうこちらに勝ち目はないでござる。」
_「その時は、誘拐でもなんでもしてやらァ。ただし零杏は、嫁にもらうがな。」
_「だが晋助には、麗奈殿の実家から縁談が来ているでござろう?
なぜ、そこまで零杏殿に執着するでござるか?」
_「なぜだろうなァ。オレにも分からねェ。本能で求めてんじゃねェのか?
オイ万斉。もう時間だ。急がねェと遅刻しちまう。」
二人は次の教室に向かった。
***
ついに来た、ラテン語の時間。
言われていた宿題は全部こなしてきたが、やはり難しい。
となりに座っている神楽ちゃんと顔を見合わせて、愚痴を言い合う。
_「ったく。ラテン語の宿題は、いつも多すぎるネ。
私なんか、いつも終わんないヨ。」
_「私だって、昨日の時間、どんだけこれに費やしたか、知れたもんじゃないわ。
ただでさえ、クディッチが忙しいのに。」
_「そうアル。それでもなんとか終わらせてる零杏はいったい、何者アルか?」
_「なんだろね、私にも分かんない。」
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ