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天国と地獄<中世ヨーロッパパロディー>
2 恋は大体、一方通行から始まるものだ。
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 さっきから高杉(かれ)を凝視している女子たちをさておき、私に向かってニヒルな笑いを浮かべている。その笑みを自分に向けられている、と勘違いした女性が多かったらしい。
 だが私は、軽く会釈して目をそらした。
 目の端でそちらの状況を見ていると、隣に座っていた男子がなにやら晋助(かれ)に話しかけている。

 確か、「神威」とか言っていたか。神楽ちゃんの兄だ、といううわさを聞いたが、それが本当なのかどうかは、まだ分からない。というより、神楽ちゃんにその話題を持ち出さないほうがよさそうだ。


 そうこうしていると、校長先生が壇上に上がった。

_「生徒諸君。おはよう。」

 全校生徒が、おはようございます、と声をそろえる。

_「さて、皆さんのお腹はもうペコペコなことでしょう。
  もう食事の時間といたしましょう。では、」

 と言うと、校長先生のフィンガースナップでパッと料理が現れる。

 いただきます、めいめいの口で唱え、食事が始まった。



 食事をしていると、まず新八君が口火を切った。

_「もうすぐ夏休みですけど、みなさんどこかに行かれるんですか?」

_「オレはホグワーツに残るぜ、」

 と、銀時。

_「私は、観光してから実家に帰ります。」

 と、妙先輩。


 めいめいがワイワイ言っているのを小耳にはさみながら食事を続けていると、
 新八君が私に聞いた。

_「どうしようかな、どうせなら学校にいようかな…私は。」

 と言うと、神楽ちゃんはとても残念そうな顔をした。

 _「零杏も姉御と私と一緒に観光に出かけようヨ、」

 と誘ってくれたので、じゃあお供させてください、と言うと、二人はとても喜んだ。

_「ワーイ、とっても楽しみネ。
  早く夏休みにならないかナ。」

 と、もうすでに嬉しそうだった。




 食事が終わると、めいめい寮に戻って授業の準備をする。
 今日は魔法薬学の授業があるので、荷物がとても多い。
 午後からはラテン語と魔法史の授業が入っている。

 放課後は、クディッチの練習があるので、今日はとても忙しい。
 寝ないようにしなければ。笑



 寮を出て、銀時と一緒に魔法薬学の教室に入る。
 残念なことに、あの高杉も一緒なのだ。
 銀時と高杉は、腐れ縁である。

 またもや彼からのアプローチがすごい。
 隣にいる銀時とおしゃべりすることでなんとか回避したが、次も同じ手で乗り切れるかどうかは、正直分からない。



 いつの間にか教室に入ってきていた教授が講義を始める。

_「今日は安らぎの水薬を作る予定だ。上手く出来た者には、その者の寮にポイントをやろう。
  はい、教科書2
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