114 前進(つぎなるみち)
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は君の実力ならこういう結果になると信じていた。全国でも君のその実力は通用すると信じている。だがそれにはさらなる演出が必要だな・・・!!)
『それでは閉会式に入ります。山里会長お願い致します』
「はい、出場者の皆さん、演技お疲れ様です!そして、会場の皆さん、ご来場頂き、改めてお礼を申し上げます。東海・北陸・信越の各地区大会にて金・銀・銅賞の皆さんがここに集い、競い合ったこの大会も終わりが訪れました。しかし、金・銀・銅を獲った皆さんにとってはまた全国大会という次なる道が待っています。そして、惜しくも敗れてしまった皆さん、ここで演技ができた事は何れは誇りになるでしょう。その思いを秘めて皆さんお帰りなさって下さい。本日は本当にありがとうございました!!」
『ありがとうございました。これにてアマチュアスケート中部大会小学生男子の部を終了いたします。お忘れ物ないよう、お手回り品に十分ご注意してお帰り下さい』
こうして中部大会は閉幕した。藤木は他の出場者と共に控室へと引き上げた。その際、藤木は和島に声を掛けられた。
「藤木君」
「和島君。何だい?」
「まさか折角考えたボクの技が失敗するなんて悔しいばかりだよ」
「和島君、でも僕も最後の着地、失敗したんだ。あの時、スパイラルの姿勢のままでいる事に拘ってたら賞は獲れなかったよ」
「そうか。キミはまた先があるけどボクはこれで終わりだ。今度こういう機会があった時は必ずリベンジするからな!」
「ああ、いつでも対決を楽しみにしているよ」
藤木は和島と離れ、着替えた。そこには既に待ち伏せしていたかのように片山の姿があった。
「片山さん」
「藤木君、ご苦労だった。また素晴らしい演技を見せてくれた」
「しかし、僕はあの最後のジャンプで着地を失敗してしまい、思うようには行きませんでした」
「いや、それがまた凄いのだよ。よく着地失敗すると気づいた瞬間、とっさに転倒を防いだことが見事だったのだよ。だから君の評価を落とさずに済んだのだ」
「は、はい、ありがとうございました」
「次は全国大会だな。さらにスケールが大きくなる舞台に立つ。さらなる演出が必要になるという事だ。では、また会おう・・・」
片山はそう言って去った。
「さようなら・・・」
藤木は自分も出入口へと向かった。そこには自分の両親と花輪、笹山、リリィ、そしてヒデじいがいた。
「Hey、藤木クン」
「やあ、皆。来てくれて本当にありがとう」
「藤木君、本当にかっこよかったわ」
笹山が褒めた。
「笹山さん・・・。ありがとう」
「藤木君、私あの時の藤木君思い出したの。やっぱり氷滑りなら誰にも負けない気がするわ」
「あの時って?」
「一緒に旅行した時よ」
「ああ、そうだったね。ありがとう」
藤木はリリィと高山へ旅行
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