ペルソナ3
1975話
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「イレギュラーシャドウの反応を捉えました! これは……巌戸台の北の外れです!」
銀座の料亭で美鶴や武治と食事をしてから、数日。
今月もまた満月の夜がやってきて、俺とゆかり、コロマルは巌戸台分寮で待機していた。
……相変わらず、荒垣の姿はない。
何度かメールの返事があったって事は、シャドウに殺されるといった事にはなっていないんだろうが、結局今日はここに来ていないのだ。
ちなみに、幾月の件に関してはまだ殆ど進んではいない。
妙な動きをしないように専門の人員に監視を頼み、現在は決定的な証拠を集めているらしい。
幾月が妙な動きに出るよりも前に、先手を打った方がいいと思うんだがな。
これが表の世界の出来事であれば、武治のそんな行動も許容出来る。
だが、影時間に関わってるのであれば、それこそ今回の一件は下手に様子見をするのは悪手だと思う。
もっとも、桐条グループの件である以上、下手に俺が手出しをするのも色々と不味い。
そんな訳で、結局武治に任せてるんだが……さて、どうなる事やらな。
「巌戸台の北? あそこは……特に何かあったか?」
首を傾げる真田に、他の者達も同様に不思議そうな表情を浮かべる。
実際、俺が知る限りでも、巌戸台の北というのは特に開発が進んでいる訳でもなく、それこそ荒れ地とかそういう感じの筈だ。
今までの経験から考えると、イレギュラーシャドウは荒れ地にポツンと出るような事はない……と、そう思うんだが。
正直なところ、どこか微妙な感じがしないでもない。
「え? あれ? これって……」
「どうした、山岸」
不意に山岸が戸惑ったような声を上げる。
その声に美鶴が尋ねると、山岸はどこか信じられないといった様子で口を開く。
「その、イレギュラーシャドウの反応ですが、地下にあるんです」
「……地下? 地下だと? ただでさえ、あのような場所にイレギュラーシャドウが出てくるというだけで不思議なのに、地下……?」
「私のデータによれば、巌戸台の北の地下には旧陸軍の基地があるであります」
アイギスの言葉に、俺を含めた全員の視線が向けられる。
何故アイギスにそんなデータがあるのかは分からないが、それでもイレギュラーシャドウがどこにいるのかが分かったというのは大きい。
「では、向かうとしよう。山岸、君は……」
「連れていって下さい。ここからだと、相手が地下にいるという事もあって、完全に相手の様子を把握出来ません。そうである以上、近くに向かう必要があると思います」
「分かった」
山岸の言葉に、美鶴は即座にそう判断する。
実際先月の白河通りでも同じような事をしたので、問題はないと判断したのだろう。
ただ、北の外れは何もない場所だけに、もしイレギュ
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