人狩りの夜 5
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それならばと呪文を唱え続ける秋芳に襲いかかるが――。
「おっと」
「《銀嶺より吹きし冷風よ・氷原を駆け・凍土に満ちよ》」
呪文を中断した秋芳に代わりレニリアが続きを唱える。
目標をレニリアに変えて攻撃しても軽やかにかわして秋芳が続きを詠唱。また秋芳を攻撃し、レニリアが続きを詠唱。
蝶のように舞い、燕のように翻り、さらりすらりと柳に風とばかりに華麗によけては冷却呪文を交互に唱え続けるうちに、タラスクスの動きが次第に鈍くなる。
室内の温度の低下が、寒さに弱いその体を蝕んでいるのだ。
体温を調節する機能がなく、 外界の温度によって体温が変化し、新陳代謝に影響を受ける変温動物は低温になると種々な活動が不可能となり、冬眠や休眠するものが多い。
秋芳の推測通り宝石獣タラスクスには素体となったサイネリアノロガメの変温動物の特性が残っていたのだ。
やがて、タラスクスはその動きを完全に止めた。
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