次元を越えた戦い
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し、彼らのそれが整うよりも早く、ティオスは二人の後ろに回り込んでいる。
「ここで死ぬんですから」
「「!?」」
信じられない速度に振り返ろうとしたスティングとローグ。それよりも早くティオスの蹴りが、ローグの足を撃ち抜いた。
「グッ!!」
「ローグ!!」
あらぬ方向に曲がった右足。スティングは心配して彼に視線を落としたつまり・・・ティオスから目を離してしまった。
「仲間ができてから、本当に甘くなったね、スティング」
「しまっ―――」
頬に突き刺さる拳。白竜の体は宙を舞い、地面を転がった。
「スティング!!」
完全に白目を向いてピクリとも動かないスティング。ローグは折れた足に渇を入れその場に立ち上がろうとする。
「その足では影になることもできない。この一撃を避けられないでしょう?」
高く振り上げられた右足。足を負傷したローグはそれを避ける方法などない。
風を切る音ともに振り下ろされようとした足。しかし、彼は何かを感じたのか、その足をローグに振り下ろすのをやめ、地面に戻し後ろを向く。
「酔・劈掛掌!!」
手のひらを向けて飛び込んできていた番犬を難なく交わすティオス。バッカスは地面に着地すると、顔を見せない青年の方を向き直った。
「待たせたな」
「バッカス」
四つ首の番犬のエースであるバッカス。彼に続くようにむさ苦しい男たちが続々と戦場に姿を現した。
「バッカスか・・・これまた懐かしい奴が出てきたものだ」
「あぁ?お前、俺のことを知ってるのか?」
ティオスはどうやらバッカスのことも知っているらしく、面倒くさそうな反応を見せる。
「スティングくん!!」
「ローグ!!」
そこにやって来た二匹の猫。彼らはそれぞれの相棒の元に飛んでくると、まともに動けない彼らを揺さぶる。
「おい猫!!そいつら連れてここを離れな」
「ですが、バッカスくんは?」
「心配要らねぇ。すぐに戻る」
剣咬の虎と青い天馬は負傷者が続出している。ここは一旦引くのが得策だと考えたバッカスは、仲間たちと共に時間稼ぎを買って出た。
「向こうにテントを張ってます!!そこで待ってますから!!」
「待ってるからねぇ」
「あぁ、任せろ」
動けない仲間たちを連れてベースキャンプへと駆けていく虎と天馬。残された番犬を見て、ティオスは笑いを堪えていた。
「まさか、死ぬつもりですか?」
「んなわきゃねぇだろ!!」
バッカスは瓢箪に口を付けると中身を一気に飲み干す。酔っ払いと化した彼は、ユラユラと揺れながら敵を見据える。
「妖精の尻尾の奴等とうまい酒を飲むためにも、負
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