次元を越えた戦い
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度を上げた。彼女の踏み込みの強さは一流。敵が強大だろうと、間合いに入ることは可能だ。
「ハルシネイションゾーク!!」
紫の魔力を渦のように腕に纏わせた滅竜奥義。ドラゴンをも滅するとされるそれを惜しげもなく使おうとしたグラシアン。
「ハァ!!」
手応えバッチリな技に満足げな笑みを浮かべるグラシアン。たった一撃で終演するかと思われた二人の戦いだが、やはりそんなことはなかった。
「受けてみようと思ってたけど、やっぱり大したことねぇな」
「!?」
顔面を捉えたと思われた攻撃は彼に届いていなかった。片手で易々と止められた滅竜奥義。それはティオスの顔を隠している黒装束を飛ばすことができないほど、威力を吸収されてしまったのだ。
「バカな・・・」
青年の手を払い、距離を置く。グラシアンは再度攻撃に出ようとしたが、それは叶わなかった。
「俺はあなたより遥かに優れた魔導士なんですよ、グラシアン」
今度は逆に相手に距離を詰められた。彼はそれに気が付いていたが、その瞬間に体に激痛が走る。
「そんな・・・」
体を貫かれその場に崩れ落ちるグラシアン。彼はまだ辛うじて息はあったものの、それがどれだけ続くかは予測ができない。
「また勝ってしまったか、俺は」
虫の息の相手には興味もないのか、他の敵に視線を向けるティオス。その彼の元に、二人の竜が立ちはだかった。
「グラシアン様!!」
「グラシアン!!」
スティングとローグに気を取られていたティオスの脇を抜けてグラシアンに駆け寄るユキノとキセキ。彼はその二人には一切興味を示さない。
「ゴッドセレナ、こいつらも俺に任せてくれるか?」
「しゃあねぇな」
渋々といったような言葉を発するがゴッドセレナは内心震えていた。ここで彼に歯向かえば自分も殺されかねない。それがわかっていたからこそ、反論せずに別の場所の援護に行ったのだ。
「仲間をやられて気分はどうだい?スティング、ローグ」
「あんた、俺たちのこと知ってるのか?」
先程からずっと気になっていた。なぜかこのティオス、初対面であるはずのグラシアンやスティングたちの名前を平然と当ててくる。それが気になったスティングがそう尋ねると、彼は意味深な笑みを浮かべた。
「もちろん知ってるよ。そして、あなたたちも俺のことをよく知ってる。といっても、昔の俺のことを・・・だけどな」
「昔の俺?」
以前どこかで会ったことがあるということなのだろうと推測したスティングたちだが、三人が共通して知っている人物には限りがある。その中で敵になるような人物がいた記憶がない。
「まぁ、知らなくてもいい。どうせ・・・」
魔力が高まったのを感じた彼らは戦闘準備に入った。しか
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