次元を越えた戦い
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「この感じ・・・似ている」
「あぁ!?」
何かを呟いた天海だったがその声はレオンには聞こえなかった。少年は笑みを絶対に崩さない彼を見て次第に魔力を高めていく。
「その顔・・・ムカつくぜ」
「悪いな。俺は強者との戦いが好きなんだ」
レオンの魔力の高さ、勘の良さ、戦闘能力・・・どれを取っても一級品。さらに彼はある人物と少年を重ね合わせ、気持ちが高ぶっていた。
「この魔力の感じもまさしくあいつだ。やはり貴様は・・・」
そこまで言いかけて、口を閉じた。スイッチが入ったのだ。最高の相手には最高の戦いで応える。それこそが戦士としての礼儀。
「ん?この魔力・・・」
辺りの空気がどんどん冷えていくのを感じた。吐く息が白くなってきたことで、ディマリアは目を見開く。
「驚いただろう、奴の魔力に」
自分のことではないのに得意気な表情のカグラ。レオンの魔力は非常に高い。それこそスプリガン16の面々よりも・・・だが、彼女が驚いていたのはそんなことではなかった。
「なんで・・・あいつと似てるんだ?」
「あいつ?」
彼女が誰のことを言っているのかはわからなかった。しかし、ここまで冷静さを見失うことのなかった彼女の頬を一滴の汗が伝い、地面に落ちる。ひどく動揺している彼女を見て、カグラは何かあったことを察した。
「おい、どうしたんだ?」
敵ではあるものの心配してしまうところがフィオーレの民の甘いところなのかもしれない。彼女は金髪の女性に歩み寄ろうと一歩踏み出した。
ギュンッ
その時、レオンと天海は同時に動き出した。
ドゴォォン
「「!?」」
二人の拳がぶつかり合ったかと思った瞬間、カグラとディマリアの間に大きな亀裂が走った。
「「「「「うわあああああああ!!」」」」」
それを皮切りに至るところで上がる悲鳴。彼女たちは何が起きているのか理解できず、唖然としている。
「「きゃあああああ!!」」
「リズリー!!アラーニャ!!」
仲間たちの悲鳴に困惑し辺りを見回すことしかできないカグラ。ディマリアも自身の兵隊たちが打ち上げられていることに動揺していた。
「バカな・・・こんなことが・・・」
「いや・・・ありえないだろう・・・」
両軍を巻き込むほど縦横無尽に駆け巡る二人の男・・・それならまだよかった。しかし、そうではない。
「「あの二人・・・あそこから動いていないんだぞ!?」」
激しくぶつかり合うレオンと天海。しかし、彼らはどちらが押されているわけでも、押しているわけでもない。
その場で激しく多彩な攻撃を繰り出し、主導権を握ろうとしている段階なのだ。
「ディマリア様!!ここは一度下がるべきです!!」
「カグ
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