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名探偵と料理人
番外編2 金田一少年の事件簿:天草財宝伝説殺人事件
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相続人の特権は5人の子供本人に限定する。それ以外の者にはたとえ配偶者・子供であれ何人たりとも相続の権利を持たない」とあったそうだ。今意識不明の醍醐氏が死ねば(まあ俺の話で彼には財産なんて一銭もないだろうことが分かっただろうけど)普通なら孫の朋美ちゃんにも遺産相続権が発生しそれで治療できるかもだったが、遺書のせいでその可能性が消えた。そも、意識が戻れば直談判して治療費を出してもらえたかもしれない。全ての可能性が朋美ちゃんの「死」を決定し向けている中、和田さんの中で目覚めてはいけないものが目覚めてしまった。―他の実子を亡き者にすれば、遺書がどうであれ朋美ちゃんに全ての遺産は相続される―と。

「じゃ、じゃあ和田ちゃんもしかして…!て、てめえ。葉月を殺そうとしてたのかよ!!」
「わー、いつきさん!落ち着いて落ち着いてくれ!」
「いつきさん、冷静になって下さい!」

いつきさんにとって葉月さんは特別な存在なのかな?激高して和田さんに詰め寄るいつきさんを俺と一はなんとかなだめた。

「…はあ。和田ちゃんよぉ、俺も血のつながりはねえが自分の娘のように可愛いがっている子を養ってる。その子も病気にかかって命に係わる手術をしたこともあった。ましてやあんた自分の娘だもんな…でもよう。その選択肢はとっちゃならねえよ…」
「…ま、今回は龍斗のファインプレーってことだ。いつきさん、そんなになるくらいなのに葉月さんとは今日仲が悪かった見たいだけど?」
「あ、あれは、だな。ちょっとしたことがあってな…いや、もしかしたら緋勇君が居なきゃ和田ちゃんが凶行に走ってたんだ。Ifの話だが、ゾッとする話だった。…俺も素直になるか」

最後のセリフは消え入るような声だったので聞こえたのは俺だけだろう。

「…頼りにしてた醍醐の遺産はのうなってしもた…緋勇ハン。頼みます…元々なかった遺産の事を教えてくれたのは緋勇ハンや。それに蓄えも十分にある…お願いや、一生かかっても返します。せやからわてに金を…朋美を助けてください……!!」

そう言って露天風呂にもかかわらず土下座をする和田さん…肺と心臓か。俺が治す、という事もできるが…

「…龍斗?」
「緋勇ハン?」
「緋勇君?」

無言で立ちあがった俺を訝しる皆…俺はあえてそれを無視し、能力を開放した……鉄に混じって…これは金…か。

「和田さん…さっきも言ったように俺に自由に使える金はそう多くはありません「で、でも!」ですが!ここには皆さん何をしに来たんです?」

その言葉に皆は顔を見合わせた。

「「天草財宝」の探索、だろ?でもよう、あるかどうかわからないものにすがるってのは和田さんには酷なんじゃないか、龍斗?」
「そ、そうだぞ緋勇君。流石にそりゃあ…」
「いいや、あります。それにココに名探偵金田一
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