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名探偵と料理人
番外編2 金田一少年の事件簿:天草財宝伝説殺人事件
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その事に殺意が込められていたことを」
「!?」
「お、おいそりゃどういうこった龍斗。殺意って…」
「俺、感覚が鋭くてね。一瞬だけ漏れた和田さんの殺気…それは俺が「金に困っているのか」という言葉に対してだった…説明してもらえますか?」
「は、はは。こら参った。殺気なんてほんまにあるんかいな…いや、あるんやろうな……」

そして和田さんは語った。蔵元醍醐には五人の子供がいたこと。そしてその五人というのがルポに参加している「中田絹代」「赤峰藤子」「赤門秀明」「最上葉月」そして「和田明絵」。二年前に亡くなった和田さんの奥さんだと言う。

「そ、そんなバカな!」
「ど、どうしたんだよいつきさん」
「い、いやよ。その最上葉月の親は平凡なサラリーマンだし、葉月本人からだってそんな話一度だって聞いたことねえよ!」
「それはな、いつきはん…蔵元醍醐の出生が原因なんや…おかしいと思わへんか?昔の人間やのに蔵元醍醐が蔵元清正の遺産を一人で全て相続したって話…」
「そ、そりゃあ気にはなるけどよ…」
「醍醐にはな、他にも兄弟がおったんや。けども、清正の遺産に目がくらんだ兄弟はお互いに殺し合って全員が死んだんや。その事が醍醐にとってトラウマやったんやろな。自身の子供たちも同じ目に遭うて欲しくないってことでそれぞれの子供のいない家庭に生涯の援助も合わせて養子に出したっちゅうわけや」
「な、なるほどな」
「せやけど、蔵元一族に生まれたからには一族の悲願である三財宝のうちの残り二つ、「佐々成政の立山財宝」そして「天草財宝」を追い求めてもらわなあかんという事で幼いころから財宝を追い求めるように仕向けてほしいと、それが里親を引き受ける条件やったと明絵ハンの両親がいうとりました…」
「…そう言えば葉月も言ってたっけ。立山財宝や天草財宝は私の小さいころからの夢だ、って」

ふーむ、なるほど、今回集まった面子にはそんな裏があったのか。それでも。

「なんで金に困ってるんだ?今回の集まった、いや和田さんが集めた人達の共通点は分かったけど今の話じゃあ何の関係もないんじゃないか?」

そう、一の言う通り今の話には和田さんがお金に困っているという事に全く関わっていないのだ。

「明絵ハンとわての間には一人子供がおりまんねん。朋美っちゅう親のひいき目なしにしても可愛い娘や。その子がな、心臓と肺の病気でもう半年か一年の命やっちゅう話なんや」
「な!」「何だと!?」
「治療法がないわけやないんや。ただ、それができるんのがアメリカの偉い先生で治療費が最低でも8000万はかかるらしいんや。わてもかき集めたんやけど2700万が限界やった…しかも」

そうして続けた内容は…わらにもすがりたい彼には残酷な話だった。なんでも醍醐氏は生前に遺書を認めていて、その内容に「遺産
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