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名探偵と料理人
番外編2 金田一少年の事件簿:天草財宝伝説殺人事件
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る樹の葉っぱを二枚むしった。一枚には蘇生包丁の技術を応用した仕込みを行い、もう一枚はそのままだ。そういや前世の子供の頃に雑草を食べていた時に無意識にこれやってたなあ。あれも転生特典の「料理の才能とセンス」のおかげだな。今のこれはあの頃の比じゃないけどね。

「はい、これ」
「っ?なんだこれ」
「まあまあ食べてみてよ」

そう言われて、一は何もしていない葉を食べた。「まっず!?」と声を上げ、俺の方に避難の目を向けたが俺が無言でもう一枚食べるように促した。一は先ほど味わった青臭さが嫌なのか、恐る恐るほんの少しかじり…そして貪るように全てを口に入れた。

「お、おい金田一?」
「…うめえ、うめえ!なんだこれ!?こんなの俺生まれて初めて食ったぞ。今まで食ったもんの中で一番だ。なんでだ?ただの葉っぱなのに!?」
「まあそこは、ね。俺の腕の見せ所ってわけさ。そこらにあるものでも今の一が驚いているような調理を施す技術。これが俺の武器さ。一、俺の事を信じてなったろ?そういう時は口で言うより口に聴かせた方がはやいんだ」
「…いや、参った。これは普通に食材を使った料理は大金払っても食いたくなるわ」
「おいおいおい。ケチな金田一がそんなこと言うなんてよ。なんだよ、そんなにうまかったのかよ?」
「そら、もう!なんというかな、ただの葉っぱがだな…」


――


「はは、は。これは明日の料理が楽しみだぜ」

興奮した初めの言い分に少し疲れたようないつきさん。確かにガンガン来てたし、なんか申し訳ない。

「それはそうといつきさん、和田さん。なんで「天草財宝」なんですか?メジャーなのは徳川の埋蔵金とか秀吉の埋蔵金とかですよね?」

俺は今回のルポについて疑問に思っていたことを主催者っぽい二人にぶつけた。

「そう言えば金田一には言ったが財宝ルポは今回で二回目なんだ。一年前に立山の佐々成政の財宝を、今回参加している高校生組以外の面子で探したんだ。なんでこの二つかってーっと…」
「そらわてが説明しますがな。実はわてが題材にしとる財宝伝説は二つやなくて「三つ」なんや」
「三つ?」
「へえ、それは初耳だな」
「…」

四郎君は黙っているけど…知っているのかな?

「その三ついうのが「秋名山の由井正雪の軍資金」「佐々成政の立山財宝」そして「天草財宝」なんや!実はこの三つは蔵元一族っちゅうトレジャーハンターの一族が代々探しとる財宝でな。わてもそれにならったっちゅう訳や」
「そう言えば、四郎君のお父様はトレジャーハンターでその蔵元一族の1人、蔵元清正の孫弟子だったって?」
「…ええまあ。だからこのルポに同行を決めたそうです。でも昔の話ですよ」
「はあ、そうだったんだ」
「ただ、その三つのうちの1つ「由井正雪の軍資金」は蔵元清
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