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名探偵と料理人
番外編2 金田一少年の事件簿:天草財宝伝説殺人事件
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すのは嫌いじゃないし、もうしばらくはな…さないかって誘おうと思ったけど」
「??」
「後ろで君の彼氏がすごい目で見てきているから遠慮しようかな?」
「え?」

そう、彼女が俺に話しかけてきたすぐ後から分かりやすくこっちに意識を向ける男子高校生がいたのだ。俺の言葉に後ろを見て、

「も、もうはじめちゃんったら!初対面の人に失礼でしょ!え、えっとご、ごめんなさい!」
「大丈夫。彼氏は君の事大好きみたいだからね」
「か、彼氏じゃないです!」

俺の言葉に真っ赤になって否定をした彼女は「はじめちゃん」の方に歩いて行った。少し会話を盗み聞いたところ、長髪を適当に束ねた男の子は俺の風貌から怪しい男に絡んだことから警戒していたが俺の「君の彼氏」発言辺りから気をよくしたらしい。怪しい風貌って…そりゃあ、身バレ対策に帽子にマスク姿だけどさあ…
そんなこんなあって若干気落ちしているとフェリーは本渡港についた。本渡港に降り立った俺はなんとはなしに団体さんを目で追っていたが彼らはマイクロバスに乗ってどこかへ行ってしまった。
まあいいや。縁があればまた会えるだろう。さあて、天草名物の地鶏に魚介類に野菜に和牛!楽しみだ!!


――


「…ったく、なんなんだあのガサツな奴らは!っと失礼」
「あ、いえ。おかまいなく」

天草の名産を堪能した俺は宿泊先の温泉にやってきていた。なんでもそれなりな露天風呂があるらしい。
脱衣所にはフェリーで出会った団体さんの1人がぶちぶち文句を言いながら着替えている所だった。まあ向こうは俺の事なんか知っちゃあいないだろうけどね。
服を手早く脱いだ俺は、内湯で体を洗い露天風呂に向かった。

「おやま」

露天風呂にはフェリー参加者の方々が先に浸かっていた。へえ、案内人っぽい子も一緒か。

「(ちょっといつきさん。なんかすっげえムキムキの人が来たんだけど)」
「(みてえだな。ありゃあ、ちょっと普通の鍛え方じゃ身につかねえぞ。それに、だ)」
「「((でかい…))」」

小声で何やら話している参加者Aさんと男子高校生。いやまあ聞こえているんだけどね。

「こんばんは。財宝は見つかりました?」
「へ?な、なんで財宝の事知っとんのや?」
「いや、フェリーのデッキ話してたのを聞いていたんですよ」
「え?じゃ、じゃああんたあの時の怪しい男!?」
「怪しいって…ま、まあそう言われればそうなんだけどね」
「ん?ちょ、ちょっと待て。お前さん、よく見たら見たことある顔だぞ!?なあ和田さん!!?」
「え?…あああああ!ひ、緋勇龍斗!?」

まあ、風呂の中まで変装はしてないからね。


――


取りあえず興奮した大人二人を落ち着かせて、お互いの自己紹介をした。関西弁の小太りの男性が週刊
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