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名探偵と料理人
番外編2 金田一少年の事件簿:天草財宝伝説殺人事件
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さんの真意を伝えた。その真意とはなんら難しい事ではなく、単純に依頼の内容を知っていればそこに行くことで俺の料理が食べられる。という事だった。今は相談役とは言え、長年財閥の屋台骨だった人だ。例え乱入しても依頼主のホストの人でノーと言える人は少ない。というか、ほとんどいないだろう。俺に「次の○○のパーティはワシも行くからのぅ!」と直接言ってきたこともあるし。それを聞いた父さんは苦笑いしながら、

「それは……あの人らしいというかなんというか。これは俺や葵にはなかったことだな」
「そうね…これはたっくんの、たっくんだけの縁の力ね。私達が最初の頃は緋勇家の力をお借りしたりしてたものね。若いころは苦労したわ」
「へぇ、そうなんだ。今の二人の見ていると全然想像つかないな」

今では引く手あまたの二人にもそう言う時期があったんだな。まあ見た目が20代の二人が若い頃って言っても全然違和感しかわかないけどね。


――


「あ、そうそう。龍斗に来ていた年賀状は仕分けしておいたぞ。ほら」

あ、そういえば元旦の風物詩と言えばそれがあったな。父さんから手渡されたそれは結構な量だった。お節を食べ終わり、家族でまったり去年あったことや他愛のない話をコタツで駅伝を流しながら語った。話の内容は尽きない。離れている時間の方が多かったし去年は何より紅葉が来たからね…あ、あとは良く殺人事件とかに巻き込まれるようになった、ね。そんな話をしている時にふと思い出したように呟いて渡されたのが年賀状だった。
俺はその年賀状に目を通した…うんうん、幼馴染みズとその両親からに中学の時の知人、ああこれは依頼人の中でも個人的に仲良くなった人だな…お。雪影村の若夫婦(まあ、まだ片方が結婚できない年齢じゃないけど)からも来てるな。うん、家族三人で健やかに過ごしているようだ。しかしまさかこの2人が彼の知り合いとはね…

「あら、可愛らしい赤ちゃんね。でも、ちょっと若すぎない?どういう知り合い?」

年賀状に目を通していた俺が彼らの年賀状でめくる手を止めたので父さんといちゃついていた母さんが覗いてきた。

「えーっと。あれだよ。とある港町に夜釣りに行ったら奥さんの方が、マタニティーブルーで自殺しそうな時に出会って。その悩みを解決してあげたんだ」
「なにそれ!?結構大変なことじゃないの!!」

父さんも言葉にしていないが驚いてこっちを見ている。目線で先を話せと言っているので事の顛末を語った…一個だけ。兄妹の判定に「匂い」を使ったこと以外は。
人にはそれぞれ体臭がある。そこから導き出せるものに科学では証明できない確かな遺伝、血のつながりがあるのだ。俺やトリコのようなあの世界でさえ異常と言える嗅覚の鋭さはそれを可能にしていた。多分、八王の1人だったギネスも分かるだろう。と言
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