第??話 -彼のいないところで-
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こと。それは…散弾を威力があがった状態でもう一度受けないといけない危険性をはらんでいた。そしてさらに不幸が重なり、赤井がベルモットを撃つ際に留意しなければならない点…意識のない子供たちが射線上にいなかった。つまり赤井が発砲をためらう理由がなかった。
「(ああ……Angelがあの女についた時点で私は摘んでいたのね……最期にもう一度…)」
捕まれば、自分は二度と生きて外は歩けないだろう。それだけの事を積み重ねて来た自覚はある。刹那、彼女の脳裏に浮かんだのは幼い男の子が自分に笑いかけている所だった。自分は確かにあの場所で彼に救われていた。彼の成長を遠くで聞くだけで笑顔になり、そんな自分がいる事に驚いたりしたものだ。保険医に成り代わり、彼やAngelを近くで感じ、デートまで出来たのはここ数年で一番素晴らしい夢のような時間だった。だがこれでもう終わり。
「タツト…」
―ダァアアアァン!!−
港にショットガンの無情な発射音が響き渡った……
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