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名探偵と料理人
第四十二話 -網にかかった謎-
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それで潰せそうな…」
「お、おうニイチャン詳しいじゃねえか?それにあんまそんな顔すんじゃねえよ、ガキ連中とかひいてんぞ」

え?ああ、確かに子供たちが怖がってる……ふぅー、冷静に冷静に。でもダメだな、再生屋もかじっていたせいでそう言う事をする輩を見聞きすると感情が昂ぶっていかんな。

「ごめんね、みんな」
「い、いえ…」
「怒った時のかーちゃんより数倍こええ顔してたぞ…」
「びっくりしたー。龍斗おにいさんっていっつも優しそうにしてるからそんなに怒るなんて……」
「俺だって怒ることはあるよ?俺は料理人だから、食材になる物を、その環境を大切にしない奴らを…しない人たちは許せないのさ」
「ま、まあ。龍斗クンも落ち着いたみたいだし!その許可ってのを盾にすれば取り締まったりできるんじゃないの?」
「それが無理なんだよ…」

新しく来た地元の漁師の人によるとここら辺りじゃ法律は有名無実になっていて取り放題になっているそうだ……おいおい、もしかして漁師皆知り合いだからそこら辺の手続きをやってなかったな…ってことは荒巻ってやつは初犯じゃないなこれ。そういう、「法律」を盾にできない小さな漁場を渡り歩いているクズ野郎か。

「それなら、今この漁場で起きている事ではなくそのクズ…荒巻って男の足取りを辿って証拠を集めればいいと思いますよ。やり口からして慣れている感じがします。絶対今回が初めてではありませんよ。この辺りの被害だとそちらも両成敗で引っかかると言うのなら奴の過去の罪を片っ端から積み上げればいいです」
「お、おう。なんかにいちゃん熱入ってきたな」

その後、なぜか意気投合してしまった園子ちゃんと熱が入った俺は漁師の方々と一緒に卓を囲んだ。2時間ほど経った後、その荒巻という人物は現れず所在が電話から聞こえた音から波打ち際を散策すると言う漁師の人たちと別れ俺達も部屋に戻ることにした…あ。

「ごめん、みんな」
「なーに?」
「どうしたん?」
「んー?どうしたの?」
「ちょっと哀ちゃんの様子を見に行きたくてね。それに食欲ないって言っても少しは食べないとと思ってくすねてた料理も持っていきたいし」
「くすねたって…いつの間に」
「あ、ほんならウチも一緒に行きます。なんや、今日はずっと一緒におったし」
「じゃあ、私達は部屋に戻ってるわね」

さーて、行きますかね。


――


「……哀ちゃん。小学一年生だからって下がパン一の姿で部屋の扉を開けちゃダメでしょう?」
「……仕方ないじゃないの。この背丈じゃのぞき窓に届かないし、吉田さんだと思ったのよ」
「突然来たのはウチらなんやし、しゃーないやんか。龍斗」
「あー、うん。そだな。それにしても…」

俺はベッドの上にあるポテチに目をやった。そして哀ちゃんの方をよ
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