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名探偵と料理人
第四十二話 -網にかかった謎-
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「おーい、龍斗。蘭が灰原を抱きかかえて走って行ったんだけど何があった?」
「龍斗君、哀君の様子は?」

俺は彼女の状態を二人に話した。そして…

「……なるほどね。海で蘭ちゃんと新ちゃんが出会って、そのまま一緒に遊んでいたと。それで蘭ちゃんが砂浜に座っている哀ちゃんの様子がおかしいことに気付いて連れてきたと。俺の所に連れてきたのは博士のいる場所が分からなかったからかな?」
「多分な。龍斗はガキん時からオレ等の怪我とか体調とかに気を配ってくれてたから、蘭もオメーに任せとけば大丈夫だと思ったんだろうよ」
「おーい!!」

海の家に行って氷を貰ってきた蘭ちゃんが戻ってきた。氷を置いて蘭ちゃんは海に戻って行ってしまったが…哀ちゃんよ博士や新ちゃんに「イルカから逃げている、鮫じゃ敵わない」なんて言っても分からないと思うぞ。

「……哀ちゃん、あの二人にはああいう婉曲というか詩的な表現じゃあ言わんとしてることは伝わらないと思うよ?」
「あなたには…わかるのね」
「なんとなくね。間違っても鮫はイルカより強いなんて言わないさ。タオル変えるよ」
「……っ!冷たい。でも気持ちがいいわ。それにしても隣で寝ているあなたの彼女。何があったの?肌が上気してて、ものすごい色気があるんだけど……あなた、まさか…」
「あ、ははは。いかがわしい事はしてないよ?ただ、疲労解消のマッサージで可愛がり(張り切り)すぎて失神というか気絶というか、ね」
「……そう。それでその場から離れられないって事ね」
「まあ、いいさ。潮騒をきいているだけでも休まるし。それに…」
「それに?」
「海に入ると…ね?獲物を探したくなるというか、漁になってしまうと言うか…」
「……ああ、工藤君とは別の方向であなたもバカだったわね」

そんなこんなで途中で目を覚ました紅葉と3人で俺達はまったりとした時間を楽しんだ。途中、どこからかボートを持ち出した子供たちが監視員に怒られたりその監視員と海水客が問答を起こして居たりとしていたが…まあ平和な時間だった。
でも、園子ちゃん。この賑わいの海でビニール製のボートの持ち出しは感心しないぞ?あとで、お説教だな。


――


夜になり、俺達は予約を入れていた中華レストラン「東風」に訪れていた。そこでは案の定子供たちもいてそこに合流する形で夕飯を食べることになった。
俺達が入店してすぐ、昼間の監視員…まあ漁師の方だったが来店してきて園子ちゃんの失言から事情を教えてもらった。争ってた相手は、元々荒巻って言う人はこの辺りの漁師ではなく余所から流れてきて底引き網で根こそぎ漁をしているそうだ…あれ?

「でもそれって確か農林水産大臣の許可がいるんじゃありませんか?と、いうか余所から来たのなら多分足取りをたどれば余罪がボロボロ出てきて
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