第四十二話 -網にかかった謎-
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今回は母さんの枠による推薦参加ではなかったのでちゃんと予選を通った。まあ、そっちのがだるかったな。実食があれば負ける気はしないが一次審査はレシピと写真だものな。
だから、気合を入れて作って…でも何となく不安で、調理過程を動画に撮ったものを同封して送ったんだ。
「「あ」ってなんだ「あ」って!」
「いやあ、ほら?髪の毛ほどの細さの千切りとか、細胞の破壊をぎりぎりまで抑えた下処理とか、細胞を活性化する下処理とかまあ美味しく食材を頂けるような工夫をばしただけなんだけどね…」
「んなこと、フツーの料理人に出来るわけねーだろ…」
はい、おっしゃる通り。分かりやすく目で見える千切りはその速さも相まって、他の参加者が制限時間内にも関わらず見に来てたし。
「まあそんなわけで、無事本大会にこぎ付けたのさ」
「ちょくちょく学校を休んでたのはそれやったんですね」
「そういうこと。本番まで黙っておこうと思ったんだけどね。ほら?前回飛び入りで本戦までの仕組みなんて知らなくてさ。それが恥ずかしくて」
「もう。龍斗は変な所で抜けてるんですから。それで?ウチも大会の詳細を聞いたのは今が初めてやけど勝てそうなん?」
「多分、かな。前回と同じだと勝てるとは言い切れないかも」
「前回?」
「まあ、取り越し苦労になるかもだしその時はその時さ」
「??」
「…それにしても。俺が紅葉と話してたからかもだけど新ちゃんは黙って何見てるの?」
俺と紅葉が話している間、新ちゃんはTVのニュースに釘付けだった。なになに?「地獄の傀儡師、またも脱走!」って…なにやら、凶悪犯が脱獄したことを伝えていた。しかも、二度目。…んん?なんだ?デジャヴュが。俺はコイツを知っている?「高遠遙一」か……誰だっけ…
「ん?ああ、なんか凶悪な奴が脱獄したらしくてな。もし遭遇するようならとッ捕まえてやるって思ってな」
「もう、新一君物騒ですよ?そういうのは遭遇しないことが一番なんやから」
「いやまあ、紅葉さんはそうなんだろうけどオレは探偵だし」
「探偵でもやっぱりそういうのに会っていると聞くと心配になるもんです。ねえ?龍斗」
「へ?ああ、そうだね」
紅葉に話を振られて、俺は思考を中断して彼らとのひと時に興じていきいつの間にか「地獄の傀儡師」という言葉は俺の裡から消えて行った。そう、彼と遭遇するその時まで……
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「龍斗ぉ〜日焼け止め塗って下さいな♪」
「お任せください、お嬢様」
「やー、龍斗にお嬢様って呼ばれるとなんやこそばゆいわあ」
「ねえ、蘭…」
「そうね、園子……ね、ねえ。龍斗君、紅葉ちゃん。私たち海で遊んでくるから!」
「ん?ああ、じゃあ俺達も終わったらそっちに行
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