第四十一話 後編 -そして人魚はいなくなった-
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ニティがその一人と全く関係ないところで交わるんだからそういう感想になるわな。紅葉となんか、ほぼ奇跡のような出会い方だし。そんな風に話していると神社が見えてきた。
――
「え?うそ…おかしーなー。確かにここにまとめて仕舞ったはずだけど…」
「ないんか名簿…」
「ええ…今年の分だけ…」
「あのバアさんが持ってったんとちゃうか?」
「そんなわけないわよ…」
「そこに置いてあったのを他に知ってるのは?」
「島の人ならみんな知ってるわよ。よく家に来て名簿の中にある年を取った有名人を見つけて冷やかしてたから…じゃあ私他の部屋を探してみるわね」
「あ、じゃあ私も手伝います!」
「ア、アタシも!」
「ほんならウチも!」
そう言って女性陣四人は部屋を出て行って、名簿の保管されていた箪笥のある部屋には男連中だけが残された。
「何やぞろぞろ金魚の糞みたいに…」
「さあ?トイレの場所でも聞きてえんじゃねえの?」
こ、この2人は。なんというかデリカシーのない。
気を取り直して名簿を見直してみた。平ちゃんが声に出して有名人の名前を列挙しているが、確かに俺が見ている名簿にも著名人の名前がずらりと並んでいた。中には既に他界している人の名前も。
―――キャーーーーー!!!
そんな風に名簿を見ていた俺達の耳に今日二回目の三人の悲鳴が聞こえた。
「どうした!?」
「なんや!どないした!?」
彼女達三人は俺達がいる部屋のほんの数mの所で外を見ていた。
「い、いたのよその庭に…」
「ちゃ、茶髪で眼鏡をかけてた人が」
「じーっと、ウチらを見ててん!」
その言葉に窓の方を見る俺達。え?
「それって沙織さんか?ってガラス戸割られとるやんか!」
そう、今更ながらに気付いたが名簿を保管している部屋の正面のガラス戸のガラスが割られていたのだ。
「わ、わかんないよ。すぐにいなくなっちゃったし」
「ねえ、君恵さんは?一緒じゃないの?」
「それが、立て直した倉の方を見てくるって一人裏口から…」
「危ないからウチらも一緒に行く言うたんですけど…」
「すぐに戻るから大丈夫やって…」
「その倉ってどこや!?」
「確か神社の裏って…」
そう言って指差した先は夜にもかかわらず煌々とした明かりで明るくなっていた。
――
倉を燃やした炎は一晩中燃え続け、倉を全焼させた。それは倉を立て直す原因となった三年前と同じように。そう、焼死体を一体生み出して。
炎は島の消防団によって消し止められていた。どうやら倉からでた焼死体は青い服を着て眼鏡をつけていたそうだ。
「それってまさか…」
「多分行方不明になっていた沙織さんの焼死体だ…」
「じゃ、じゃあ私たちが庭で見たあの人は…
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