第四十一話 後編 -そして人魚はいなくなった-
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なっている沙織さんが三人とも異常に儒艮の矢に執着していたってことだ。そして命様の不老不死の力を盲信してたってことだ…」
「せやな。オレは三人とも儒艮の矢絡みで殺されたり逃げまわっとると踏んでるんやけど…」
そう言葉を切り、一度飲み物を飲んで平ちゃんは続けた。
「こればっかしは誰が何番の札を持っとったかがわからんとどーしようもない…」
「あら?それならわかるわよ?」
「「「え?」」」
俺達が話していると隣に座っていた君恵さんが話に入ってきた。
「番号札の数を間違えないように毎年名簿に名前を書いてもらっているのよ。あんなことがあったから今年はまだ当選者をチェックしてないけど…なんなら今から見に来る?」
「勿論や!」
君恵さんが早速席を立ったので俺達も今からその名簿を見に行く事を紅葉達に伝えた……あーあー、小五郎さんはすっかり出来上がってしまってるな。
「ったく。しゃーないおっさんやのう。龍斗」
「はいはい、任された」
足元もおぼつかない様子だったので俺と平ちゃんとで手を貸して小五郎さんを運ぶことにした。玄関まで進み、靴を履いて神社に向かうことにした。
「もー、お父さんシッカリしてよぅ…」
ま、まあ吐かなければいいんだけどね…ん?君恵さんが禄郎さんに呼び止められている……うわーお。話の内容的に求婚かな?寿美さんが亡くなった現場の時といい、今といい、幼馴染みが亡くなっているのにどういう神経してるんだコイツ。
――
「へーー、五人とも大学まで一緒だったんですか?」
「ええ、だから寿美も奈緒子も沙織も禄郎君も、ずっと私と同級生ってわけ!皆映画が大好きで大学の映研に入って「比丘尼物語」なんて作ったこともあるのよ。それがコンクールで金賞を取っちゃったから皆で大騒ぎ!ハリウッドに繰り出すぞーってね!」
「へえ、すごいやん!でも幼馴染み言うたらウチらもおんなじや!」
「そうなの?」
「そうなんですよ!私と、ココにいない二人と龍斗君は保育園からずっと同じクラスの幼馴染みで」
「ウチと平次もちっさいときからずっと一緒の幼馴染みや!龍斗君とは親同士が幼馴染みで長期休みにはいっつも遊んでた仲やねん!」
「それでウチは幼馴染みとちゃいますけど、龍斗のお、おお、押しかけ女房や」
「お、押しかけ女房!?」
いや、ちゃんと母さんの許可貰ったし。そもそも提案したのは俺の方だから押しかけ女房じゃないでしょうに。俺は紅葉と出会った経緯、それと平ちゃんたちが俺つながりで蘭ちゃんたちと出会ったわけではないことを説明した。
「…はあぁあ。大人になれば奇縁に会うことがあるけれど。高校生でこんなフィクションみたいな縁を結んでいる人がいるなんてびっくりよ」
まあ、確かに一人を挟んでできていたコミュ
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