第四十一話 後編 -そして人魚はいなくなった-
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鳴が響き渡る。そこには網に絡まり息絶えている奈緒子さんの姿があった。
――
「誰か駐在さんとお医者さんを呼んで来てくれませんか?自分たちは島の外の人間でどこに行けばいいのかわかりません!それと全員この家から出ないようにお願いします!」
「わ、わかった。ワシがよんでくる!」
新ちゃんたち男性陣三人が奈緒子さんの遺体に行ってしまったので騒ぎに集まってきた通夜の参列者に俺がお願いした。
「ね、ねえ。奈緒子さんどうなの…?」
「せ、せや。気絶してるだけやろ?」
「た、龍斗?」
島の人間が廊下に占めてしまっているので部屋の中に入っていた三人からそう聞かれた。確かに今はもう人垣で見えないし、彼女たちは遠目に力なく、ぐったりとしてる彼女の姿しか見えてなかったな。
「いや…もう彼女の心音は途絶えていたよ……」
「そ、そんな…」
「どうして……」
「どうしてかはわからないよ。でも寿美さんの時と違ってこれはれっきとした殺人だ。ここはあの三人に任せよう」
「そ、そや!ここは平次に任せとけば何とかなるんよね?」
「そ、そうね。お父さんもいるし……でも、三人って?」
「え?ああ、コナン君も子供目線で大人じゃ気付けないことに気付くじゃない?だからあの三人ってね」
「な、なるほどね」
(ちょっと龍斗。迂闊ですよ?)
(いや、三人で奈緒子さんを調べてるのをさっき見たからうっかり)
(もう。こないなことで感づかれたら目も当てられまへん)
(うん、もっと用心しないとね)
そんな風に小声でやり取りをしていると現場検証が終わったのか俺達を呼ぶ声が聞こえた。
現場検証によると現場には魚のうろこが落ちていてそれが海に続いていたそうだ。それを聞いた三人は犯人は人魚!?と怯えていたが…まあそんなわけがなく。現場に小細工をしたのは間違いなく人間だとのことだ。
その後、福井県警がやっと到着したり通夜の参列者に小五郎さんがアリバイを聞いたりとしたが決め手となる証言は出てこなかった…いや、行方不明と思われていた沙織さんの目撃証言が複数出たのは収穫か。
…儒艮の矢の持ち主が次々と不審な死を重ねているせいか、和葉ちゃんの調子が思わしくないな。
「…か「和葉…」っ!!」
「オレのそばから離れんなや…」
…うん。俺の出る幕ではなかったな。
――
福井県警が到着したので彼らも捜査を開始した。どうやら奈緒子さんの矢が紛失していたそうなのでそれを持っていないか身体検査が行われた。持っていたのは和葉ちゃんと弁蔵さんだけだった。
その後、通夜の場で出される食事を俺達も頂くこととなった。
「…それで?今の所何かわかったの?二人とも」
「いや全然…ただ今言えるのは殺された寿美さん奈緒子さんそして行方不明に
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