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名探偵と料理人
第四十一話 後編 -そして人魚はいなくなった-
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チらも何かお手伝いできることあるんやないかなって聞きにきたんよ」
「まあウチはそろそろ龍斗なら調理を終えて、盛り付けをやるだけやろうからそのお手伝いにと思いまして」

おやま。紅葉はドンぴしゃだな。

「それじゃあお言葉に甘えて手伝ってもらおうかな」

家でも手伝ってもらう事の多い紅葉に盛り付けを頼み、残りの三人には出来上がったものを部屋に運んでもらうことにした。

「……ねえ、龍斗」
「んー?どした紅葉」
「別れ際に君恵さんの唇をじーって見てましたけど、なしてなん?」

配膳のため、今の調理場には俺と紅葉しかいない。そのタイミングで紅葉は口を開いた。
俺はその言葉に作業の手を止め、彼女を見るとその表情は眉を顰めていた。

「あー、あれはね。実は…」

俺は彼女の唇、ではなく歯を見ていたことそしてなぜその観察を行っていたのかを説明した。

「じゃ、じゃあ命様っていうのは……」
「うん。島袋家を見るにお金稼ぎの詐欺って感じじゃない……けどね。絶対いつか破綻するよ。……それにしても?紅葉は何を心配してたのかなー?」
「え?だって……君恵さん美人だし、熱心に見つめてるから…」
「もう。俺は紅葉の彼氏だよ?なんでそんなことを言うのかなあ?そんな悪い口は……」


――


「いやあ美味かったよ、龍斗君!ビールにも合うし最高だ!!」
「ほんま、美味しかったー!」
「うん、あんな短時間なのにお魚の煮付けも良く味が染みてて美味しかったわ」
「お刺身も良かったよ、龍斗にいちゃん!」
「お魚自体が美味しいものだったからね。まあお粗末さまでした」

食事も無事にすんだ。酔っぱらった小五郎さんがお風呂で溺れたりしないようにお世話を平ちゃんと新ちゃんに頼み、俺と女性陣は食器類の片づけをしてから風呂に入った。

翌日。俺達は寿美さんの通夜の席に居た。大阪組の二人がわざわざ学生服を持ってきていたのはちょっと引いた。いや、まあ学生の俺らの正装って言えば制服だけども。「備えあれば憂いなしや!」って…まあその後の「島民への聞き込みをするには丁度ええ」ってのには呆れてしまった。不謹慎だって小五郎さんに怒られていたけどね。
会場にはいるとそこには酔っ払い…門脇さんと、卓郎さん、そして君恵さんが居た。

「あれ?毛利さんたちもいらしたんですか?」
「ええ、まあ…」

小五郎さんは先に来ていた門脇さんの動向について君恵さんに聞いていた。

――ゴロゴロゴロ…ピカッ!

「なんや今の?」
「なんか妙な影が…」

稲光が外を照らして障子に影を落とした。その影はヒト型のようで。新ちゃんと平ちゃんが障子をあけると外には…

「「「きゃーーーーーーーーー!!!」」」

蘭ちゃんと和葉ちゃんと紅葉の悲
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