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名探偵と料理人
第四十一話 後編 -そして人魚はいなくなった-
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あ、龍斗の必死な顔直視したら何とも言えなくなったけどな」

いや、だってねえ?彼らの匂いを辿ってみたら絶賛命綱なしロッククライミング中なんだもの。担いで登ろうにもネズミ返し部分は薄くて三人分を支えきれ無さそうだし、それならそこを削り取れば真っ直ぐ手を伸ばせるし。ということでざくっと切って手を伸ばした次第で。
そんな風に回顧しているとどうやら平ちゃんと小五郎さんの知り合いがいたらしく、(なんと新ちゃんが元に戻った時に遭遇した事件の関係者)その人が「工藤新一様へ」というややこしい手紙の原因だったそうだ…なんだそりゃ。
彼ら曰く、あの島は海鮮料理も有名らしい。なるほど、確かに通夜の時に出た海鮮料理は美味しかったな。なら、あの島もこれから大丈夫だろう。

「ねえ?傷見せて!」
「へ?」
「和葉ちゃんがつけたラブラブな傷跡よ?」
「ちょ、ちょっと蘭ちゃん…!」
「ウチも見せてほしいなぁ。和葉ちゃんの想いの傷!」
「紅葉ちゃんまで!」

蘭ちゃんはにやにやしながら、紅葉は興味深そうに傷を見たがってきた。

「あれか…朝起きたらな。龍斗の治療が良かったのかかさぶたが取れてきれーさっぱり治ってしもてたわ」
「ええ!?」
「…ホンマやね」
「もう龍斗君のせいや。いや、もっと深う付けとけばよかった」
「なんやと、コラ!」
「でも傷治って安心したわ!アレのせいで死ぬトコやったて言われんですむし…」

そう和葉ちゃんは言うと三人は船尾に笑いながら向かっていった…見せたのは左手。傷があるのは右手だよ?和葉ちゃん…
勿論気づいている新ちゃんと俺はじと目を平ちゃんに向けていた。

「な、なんやねん。2人してその目は」




「「この(平ちゃんの)、かっこつけ…」」

俺と新ちゃんの揃った声が、静かな水面の海へと消えて行った。
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