第四十一話 前編 -そして人魚はいなくなった-
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それにしても3Kで行ってたまたすぐにってこの事だったのな」
「あ、それはちゃう。依頼が来たのは二日前やからな。単純に元旦に会おうって意味やってん。それと電話やけどくど…あのボウズが後の二人に教えてくれてると思てん」
「なー平次。時間大丈夫なん?」
紅葉と話をしていた和葉ちゃんがそう聞いて来た。そう言えば静岡で合流してそのまま来るつもりだったはずなのに事件に巻き込まれたんだし、俺も気になるな。
「そりゃ、大丈夫や。オカンにオッチャン達が東京出る時に荷物持ってないことは電話できいとったし、時間通りに行かんやろと思て遅めのバス予約しとったからに。いやあ、すいとってよかったわ」
「時間通りに行かんって?」
「アイツはどこでも事件に巻き込まれるからな。まあまさか四朗はんが殺人事件で殺されるとは思わんかったけどな」
「アイツって毛利のオッチャンの事?」
「お、おうそやで?」
なんとまあ、手際のいいことで。なら心配ないかな。
「ごめん、お待たせ!」
「大丈夫や。ほないこか?」
毛利一行も準備を済ませ、俺達に合流し俺達は福井へと出発した。
――
バスに揺られ揺られて福井についた俺達はそのまま船に乗り美國島へと向かっていた。
船の上で平ちゃんは小五郎さんに文句を言われてやっと今回の調査の依頼について詳しく教えてくれた。なんでもあの島は三年前に不老不死のお婆さんがいてそれが観光の目玉になっている島らしい。それでその依頼主は「人魚に殺される、助けて」との手紙を送ってきたそうだ。その時に書いてあった電話番号に連絡するも明確な返事はかえってこなかったのこと。
その話を聞いた女性陣は不気味な内容からか、さっきまで永遠の若さと美貌にあやかるーとはしゃいでいたのが嘘のように静かになっていた…そう言えば三人が三人ともお化けとかホラー系が苦手だったな。新ちゃんはあくびしてるけど。
「コラ、マジメに聞かんかい。電話で言うたことちゃんと伝えへんからオッチャンに文句言われてんやぞ」
「にしたっていきなり冬休みに人魚探しに行くでと言われて本気にするわけねーだろ。なあ龍斗?」
「え?俺は日本海の今の時期の魚を堪能できるよってことで旅行のつもりでついて来たんだけど?」
「へ?」
「ああ、龍斗にはそう言って誘ったんや。料理人やしな、オレやお前とちごて」
「あ、そう…」
「まあ、ただの調査やったらオレらだけでとも考えたんやけどな。依頼人の手紙のあて名はウチやったんやけど文章の初めが「工藤新一様へ」になっとったんや」
「え?」
「あらま」
「最初はむかついて破いたろかと思ったけど工藤に関係するのかもしれへんからつれてきたんやで?感謝せえよ?」
「そして依頼人とは連絡がつかない、と」
「せや」
「こりゃ厄介なことにな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ