第四十一話 前編 -そして人魚はいなくなった-
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冬休みのあくる日、平ちゃんに「2,3日旅行にいかへんか?」と電話が来た。スケジュールを聞いたところ俺も紅葉も空いていた日程だったので了承の返事を返した。なんでも福井の若狭湾沖の美國島に来てほしいと調査の依頼があったらしい。とある事情で毛利探偵事務所の人たちにも誘いをかけたらしい。なんで俺達も?と聞くと、島だけあって漁業が盛んらしく「龍斗も誘ったろと思てな」とのこと…いいね。できれば自分で釣るか素潜りたいが新鮮なものを捌くのもいいもんだ。
「それで?探偵事務所に集合って事らしいけど電気ついてませんよ?」
「だねえ。おかしいな、この時間って言われたんだけど」
福井まで夜行バスでいくらしく夜の出発との事をつい数時間前に電話で教えてもらった。紅葉は初めての経験らしくとてもはしゃいでいたのだが待ち合わせの毛利探偵事務所の電気はついていなく、人影もない。んー、先に行ったとは考えられないしどうしたのやら…
「龍斗が明日の朝ご飯作ってたからおいてかれたんとちゃう?」
「んー。それなら連絡はいるだろうし多分違うと思うけど。ってあれ?」
「え?あ、向こうから歩いて来てるの蘭ちゃんたちやな。それに和葉ちゃんたちもおる」
「そうみたいだね…おーい!」
向こうも俺達に気付いたのか、少々小走りになってこちらに来た。
「龍斗!スマンスマン。実はな……」
なんと、静華さんが来ていたのか。平ちゃんのお母さんである服部静華さんが小五郎さんと関わると何かと怪我が多いのでどのような人物かを見極めるために正体を隠して小五郎さんにとある依頼をしたそうだ。その依頼により静岡に行っていて今帰ってきた。その静岡でも殺人事件に巻き込まれたらしいが、まあ早めに解決できたのは、俺達がたちっぱでそこまで待たされることがなかったという意味でも良かったよ。
「ホンマの事を言うと龍斗達にも静岡に来てもろてそのまま行こうと思てたんやけど…」
「オマエなあ!日帰り旅行じゃねーんだから着たきり雀になるわけにいかねーだろうが!」
……なるほど。ちゃんと話してなかったな。新ちゃんの方を見るとばつの悪そうの顔をしていたのでこれは新ちゃんには連絡はしていたが本気にしていなくて伝えていなかったパターンかな?それで着替えなどの荷物をまとめるために一度東京に戻ってきたと。
「もう、お父さん。帰ってくるまでに散々言ったでしょ。ほら、さっさと荷物まとめるわよ!」
「あ、ああ」
「じゃあ、みんな。ちょっと待っててね。すぐに荷物をまとめてくるから!」
そう言うと蘭ちゃんは二人を連れて事務所の三階に行ってしまった。
「もー。平ちゃん。こういう事はちゃんと連絡しないと」
「いや、オレはちゃんとしたで?」
「どうせコナン君だけに電話したんでしょ?こういう時は全員に、だよ。
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