第三十九話 -バトルゲームの罠-
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あ大丈夫でしょうよ。…あとは因果が回るってね(ぼそ)」
『え?なんかいったか?』
「いや、なんでもないよ。まあそうことがあったって話さ」
『ふーん…』
そう、彼が普通の人間なら今も…若干重い身体に四苦八苦しながら生活しているだろう。
俺があの時、施したノッキングは「通常時に女子小学生並みの身体能力」「人を傷つける・暴力的な行動を取ろうとした瞬間赤ん坊並みの身体能力でその行動を起こす(殴りかかった時赤ん坊並みになったのはコレ)」「大きな声を上げようとすると一気に肺から空気が抜ける」という3つの制約を与えるノッキングだ。普段の生活にはほぼ支障は出ない。出ないが、あらゆる所で敵を作っていそうな男だ。まず、無事ではないだろう…うん、やりすぎたな。やっぱり幼馴染みに手を出すと言われると暴走しちまうなあ、俺。
志水さんの方は。俺と紅葉が妹さんの入院している病院でお見舞いに行き、目に包帯を巻いている妹さんに気付かれないようにちょちょっと蘇生包丁を施して失明からやや目が悪いまでには回復した…まあ栄養失調だったので回復に必要なエネルギーのために胸がワンサイズ減ったのはご愛嬌という事で。その後、紅葉に二人っきりにしてほしいと言われて一時間ほど志水さんと雑談してから戻ると彼女の口から別れるの言葉が出た。これには俺も志水さんもびっくりで紅葉に何を話したのかを聞いたが「内緒♪」ではぐらかされてしまった。
お暇するときに包帯を取って目を開けてみてくださいと言って出た。扉の奥から兄妹の泣く声が聞こえたが…まあそれ以上は俺の出来る事はないかな。
さて、と。
「ああ、龍斗〜対戦しましょう、対戦!」
「紅葉ー、あんまりやりすぎは…」
今いるのは俺の家でも割と天井の高い部屋。ここは洋室だ。そしてなぜかある二機のグレートファイタースピリットの筐体。なんでも自分の動き以上に動くキャラクターに魅せられてやりたくなった、でもゲーセンはこりごり。というわけで筐体を買って家でしよう…という普段物欲の我儘を言わない紅葉の我儘に彼女の両親が答えたというわけだ…そこは止めてほしかった…!
「ほら、やりましょう!龍斗」
「ああ。お手柔らかにな」
ま、いいか。紅葉が笑顔でいてくれるならそれで。
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