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名探偵と料理人
第三十九話 -バトルゲームの罠-
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ていった。唯それだけだ。

「おいてめえ!こんなことオレは認めねえからな!ちょっと表でろ!」

ギアを外したチンピラAは俺の席まで来て胸ぐらをつかみあげた。はあ、やっぱりこうなったか。しゃーない。ほら?物理的に手を出したのはチンピラAが先だし?リミッターオフ全開の俺に近づいて来たのは彼の方だし?
―ノッキング!これからの人生慎ましくVer!!―

「な、なんだ?風が?いやそんなことより!てめえ、その顔が気に入らねえ!」

普通の人間には今の俺のノッキングは見えないくらい早いので、風が吹いたくらいにしか感じないだろう。
俺が怖気づかないことにキレたのか、ゲーセン内にもかかわらず腕を振りかぶり殴ってこようとした。…その動きに蘭ちゃんが出ようとしたが俺は手で制した。

―ぺち!

「な?!」
「どうしたんです?そんな赤ちゃんみたいなパンチは?」
「んっだと!…て……め…ぇ…」

今度は大きな声を上げようとしたら息がつまり苦しそうにしている。

「…これからの人生、真面目に生きてくださいな。そうしないと貴方、サンドバックですよ?」
「なんだと…?」

それを伝えた後、心配そうにしている皆(+志水さん)と合流してゲーセンを出た。


――


ゲームセンターを出た後、無茶な行動をして心配をかけたことを散々責められた俺は志水さんと後日会う約束をして連絡先を交換してその日は別れた。別れ際の彼はちょっと複雑そうな顔をしていたが、こればっかりは彼の中で折り合いをつけてもらうしかない。



そして俺は全てが終わったある日、新ちゃんと電話していた。

『それで?結局なんだったんだよ、あのゲーセンでの行動』
「ああ。あれね。実は志水さん。ああ、俺が話しかけてた黒髪のおじさんの方ね。タバコに毒を隠し持っててさ。多分、あの場でチンピラAを殺そうとしてたんだよ」
『は!?なんだよそれ!』
「フグ毒の匂いがしてさ。それで彼を止めに入ったってわけ。まあ未遂ってことだわな。で、あのチンピラAが原因っぽいしひとまず諦めてもらおうと思ってチンピラAを叩きのめせば落ち着くかなって。チンピラAも態度悪かったし」
『はあ。それでよくもまああんなに完封できたもんだ』
「あれ?新ちゃんに前に話したじゃない。銃弾の回転が見えるって」
『…ああ。つまり、身体能力のごり押しか』
「ごり押し…まあその通りさ。それで志水さんが抱えていたトラブルって言うのが彼の妹がチンピラAと付き合っててさ。絶縁させる条件があのゲームでの勝負だったってわけ。まあその妹さんも奴の借金のために失明寸前まで働いてて、それでも別れたくないって言ってたらしくてな…」
『マジかよ…でもよ?あんな性質悪そうなやつに随分と挑発してたけど大丈夫なのか?』
「ん?ま
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