第三十九話 -バトルゲームの罠-
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「何があったのかは知りません。知りませんが。気づいたからには止めさせてもらいますよ」
「な……ぁ…」
「オウ、高校生のガキが。何アニキにいちゃもんつけてんだ、あ!?」
俺がルータスさんに近づいて耳打ちしたことで勝負をするのに水を差されたと思ったのかチンピラAがすごんできた。うーん、ぜんっぜん怖くねえ。
「あのー、ルータスさん?」
「え?あ、ああ。オレは志水ってんだ」
「じゃあ、志水さん。俺にルータスのコンボとか教えてくれません?ワンコインだけでいいんで」
「は?」
「おい、何無視してんだテメエ!?」
「いやね。こんなやつのためにあなたの人生を棒に振る必要なんてないです。止めたからにはある程度責任を持たないとね」
「は、はあ…」
「俺、ゲーセンに来るのってほぼ初めてなんですよね。だからこのゲームも今日知りました。なのでコンボなんてのも知らないんですよ」
「そ、それで?オレにコンボを教えてほしいだって?このゲームはそんな甘いもんじゃあ…」
「推理ゲームとか考えるのなら俺はどうしようもないですが…事、体を動かすことなら俺は世界で一番上手いですから。まあ騙されたと思って。あなたの執着する奴なんて、今日このゲームを知ったど素人にすら勝てないしょうもないやつだってことを…それと知って下さい。視野が狭くなってこうするしかない、と思っても。外に目を向ければ案外どうにでもなることだってあるってことを」
俺にタバコの箱に仕込んでいたフグ毒を見破られて動揺していた志水さんだったが俺との会話で落ち着いたのか怪訝な視線で俺を見ていたがそんな精神状態でまともに戦えるわけがないと分かったのだろう。ため息をついてチンピラAに後日の勝負を申し込んだ…チンピラAは俺の言葉にキレてたのか、血管を浮き上がらせて俺を殺さんばかりに睨んでいた。俺の「何の因縁があるかは知りませんが、俺が勝ったら清水さんの要求をのんでくれます?」
と言ったら、「ああ!?…いいだろうよ、オメーが勝ったらそうしてやる!だがオメーが勝てなかったらそうだな…オメーの連れ、オレにかせや」と言ってきた。…ほう?これはゲームだけでなく物理的に手を出していいと言う事ですね?
――
「う…そだろ?」
「マジかよ…」
「米花のシーサーが10連敗?」
俺は志水さんにすべてのコンボを教えてもらい、チンピラAと対決した。…勿論、今日初めて知ったゲームで俺が10連勝できるわけもない。半々くらいならできそうだけどね。
というわけで。久しぶりにずるをしました。やったことは単純で紅葉と出会った時のかるた大会。それの強化版だ。ゲーム音で満たされていようがリミッターオフ全開の俺には関係なく後ろに座るチンピラAの筋肉の動く音、それと画面の動きを0.01秒の世界で判断し全て先読みして撃破し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ