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名探偵と料理人
第三十八話 -学園祭翌日-
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まあいいんだけどね……「意」の先取りは父さんの得意技だからなあ。本当にあの人リアルチートだわ。

「おお!おはよう、緋勇!!」
「おはよう、大岡さん!」
「おはよう、皆」
「おはようさん」

少し早めに来たにも関わらず、クラスにはクラスメイトが半分ほど来て各々お喋りに興じていた。クラスに入ると俺の席の近くでたむろってた中道が話しかけてきた。

「昨日は有難うなあ。あんな美味えビーフシチュー食べたのは初めてだった!お土産のマカロンも家族に大好評でな、今度の世界大会は家族みんなで応援するってよ!」
「家もおんなじこと言ってた!それに昨日食べてからなんだか調子がいいのよね。だからこんなに早く来ちゃった!」
「え?日高も?私もなのよ。昨日あんなことがあって絶対今日は学校来れないなーって思ってたのに」
「たーしーろー。それは言っちゃったら、次が無くなるんだぞ!?」
「あ…」

恐る恐る俺の方を見てくる田代。俺は苦笑しながら、

「明言してないし、ぎりぎりセーフかな?しっかりしてくれよ、もう」
「ごめんごめん。やっぱりちょっと気が昂ぶってるみたい。なんでだろ?」
「そりゃあ、あれだ。うめえもんくった後は体が絶好調になってだけだ」
「えー。サッカー馬鹿で単純馬鹿の中道はそうかもしれないけど私ら乙女はそんな単純じゃないんですぅ」
「なんだと〜!」

あー。実は中道が言っていることが正解だったり。
トリコ世界の食材を使った料理は味もだけど、心身に多少なりとも影響を与えることがある。はだがつるっつるになったり、視力が望遠鏡顔負けになったり、一月潜水できるようになったり、ね。まあ今回は体調が良くなっただけみたいだけど。
席に荷物を置き、ふと紅葉の方を見ると彼女は彼女でクラスメイトに囲まれていた。あっちもどうやら昨日の料理が話題になっているようで、毎日食べられるのがうらやましいとか、いつもはどんなものがでてくるのかとか、それは緋勇君が育てたのかとか…いや、最後のそれはセクハラだろう?いや紅葉も、「確かに龍斗の料理を食べてからまたおおきくなったんやけど…」なんて律儀に答えなくていいから。それ聞いた女子たちが一斉にこっち見たから!男子もこっち見んな!にやにやするなー!!

「ひーゆーうーくーん?大岡さんが言っている事は本当なのかなあ?」
「えっと……どうなのかな?」
「はぐらかさないでよ、ほらほら吐く吐く!」

吐くと言われましても、美味しいバランスの良い食事と適度な運動は成長期なこの時期には多大な影響を与える…としか言えないんだけど。
そう、分かりやすく伝えているんだけどなんか「豊胸食」なるものがあるんじゃないかという話になってるし。

「あー、もう!埒が明かない!!どうなのよ、鈴木。そこら辺の事は!?」

え。
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