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名探偵と料理人
第三十七話 -学園祭、事件の後始末-
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さーて、元に戻れるってんなら家にいる母さんや龍斗に連絡入れなきゃな。博士は灰原が薬作ってる事知ってるだろうし」
「…あなたのお母さんに伝えるのはいいけど彼はダメよ」
「彼って龍斗か?なんでだよ」
「あなた、私の姉の事彼に話した?」
「え?宮野明美さんの事か?…組織の、ジンにオレに毒薬を飲ませた奴に殺されたオメーの姉だってことくらいは伝えたぞ」
「そう…だったの。(じゃあ私の考えすぎ?でも…)その時、どこを撃たれたとかは?」
「いや、そんな細かいところは話してねえ。ただ銃で撃たれたって」
「…彼ね、貴方が病院に担ぎ込まれた時に動揺したのかぶつぶつ言ってたのよ。その時にお姉ちゃんが撃たれた部位の事を言ってたから。彼に伝えていないことを何故彼が知ってるのかしら?」
「それは…もしかしたらオレが伝えたことを忘れてるかもしれねえし」
「彼、信用できるのかしら…もしかしたら組織の人間ってことは無い?私たちの監視ってことは…」
「!!んなわけえねえだろ!オレはアイツがガキの時からの付き合いだぞ。それにあいつに人殺しができるわけがねえじゃねえか!アイツいつも言ってるんだぜ?『命を奪うのはその身を喰らうとき、食べ物を奪い合うときだ』って。極端な考え方だとは思うがアイツが無意味に命を奪うことはねえってオレは信じてる!」
「で、でも誰かが変装して入れ替わってるってことは…」
「それこそありえねえだろ。誰があの料理の腕を模倣できるってんだ。怪盗キッドだって無理な芸当だぜ」
「…それはそうね。私の考えすぎなのかしら」
「ま、今回の事はアイツに黙ってるってのは賛成だ。危ねえってことが分かったらアイツぜってえ止めるしな」
「ええ…」


――


「…てなやり取りがあったんだよ」
「……」

やっちまったーーー!?なんだよ、ぶつぶつって全然記憶にないぞ。他に何か言ってないよな?しかしそんな癖が自分にあったなんて知らなかった…

「なあ、おい龍斗?」
「え?ああ、そういうことがあったのか。…てか死ぬ危険性があったって?」
「…まあな。だから言わなかったんだよ。でも結局オメーに迷惑かけちまってるし、反省してる」
「はー…分かったよ。新ちゃんがそう決めたのなら俺も口出しするのは最小限にするさ。それと…」
「それと?」
「宮野明美さんの事は…あれだ。俺も自分で調べたんだよ」
「龍斗が?」
「ああ。これでも伝手は沢山あるしね。その過程で…ね。新ちゃんも俺に話してないことあったりするでしょう?俺もそうなんだよ」
「そっか…」
「っと。話してならこんな時間になっちゃったね。そろそろお暇するよ」
「え?マジだ、もうこんな時間なのか」
「じゃあ、また明日学校でね」
「ああ、おやすみ」
「お休み、新ちゃん」

別れのあいさつを
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