第三十七話 -学園祭、事件の後始末-
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「新ちゃん…」
「なんだよ、たつ…と!?」
―新ちゃんの首を落とす―そんなイメージを新ちゃんに飛ばした。『アルティメット・ルーティン』。強く思い込むことでイメージを現実にする技術。勿論実際に実現するほどのイメージは送らなかったが新ちゃん本人には充分伝わっただろう。死、について。
「はぁはぁはぁ…!なんだよ、今の!?」
「今のが「死」ってやつだよ」
「死、死だと!?」
「新ちゃん、殺人事件に関わってる癖に、毒薬を飲まされた癖に「死ぬ」ってことを軽く考えていない?探偵なんて他の職業より人から恨まれる、命の危険性があるのに自己防衛の手段はおろか自ら危険に突っ込んでいってる。今回のことだってそう。外に漏れれば組織の人間が新ちゃんを殺しにくるよ?それもどうしようもないわけではなく新ちゃんの我慢の足らなさで。いくら周りが手助けしてくれようとも、本人がそれを無にする行動を迂闊にするならすぐに死ぬよ?自覚してる?」
「……それは。それでもオレは…」
二の次を告げられない新ちゃん。どうやら思った以上に死ぬ事に衝撃を受けているようだ。…はあ。
「別に、探偵をやめろとは言わないよ」
「…へ?」
ああ、やっぱり勘違いしてたか。
「今は組織からの手が直接命の危険になるから自重しろって言ってるんだよ。今回のことだって平ちゃんもいたし、顔見知りの目暮警部だっていた。新ちゃんが推理を披露しなくてもいい状況だった。いつも言ってるじゃないか。―真実はいつもひとつ―って。だったら真実を語る人物は新ちゃんじゃなくても良かったんじゃない?探偵のあり方って推理をドヤ顔で披露する事なの?」
「オレは…」
…ま、これを機にしっかりと考えるといいよ。…大丈夫、新ちゃんならちゃんと見つけられるよ。月影島の事件を経験した後の新ちゃんは前と変われてた。だから俺の言ったことも自分なりに解釈して成長できるってね。
「俺が今日のことで言いたいことはこれくら…じゃねえ。すっかり忘れてた。どうして高校生の姿に?」
「え?ああ、それはだな…」
そこから新ちゃんはどうして元に戻れたのかを語ってくれた。平ちゃんが見舞いに来たその夜。哀ちゃんが病室に来て蘭ちゃんに正体がばれかけている彼に解毒薬の被験を提示したそうだ。まあその薬が無事効いて、哀ちゃんは有希子さんのメイクでコナンに変装して蘭ちゃんの疑いの目を晴らすことになったという。俺に言わなかったのは…
「え?」
「だからな…」
――三日前――
「じゃあ解毒薬を飲む、でいいのね?」
「ああ。せっかく元の体に戻れるかもしれねーんだ。試さない訳にはいかねえだろ?」
「そう。でも飲むのは学園祭の二日目、あなたの退院の日よ。そこまでは大人しく入院していなさい」
「ああ、分かった。
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