第三十七話 -学園祭、事件の後始末-
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ったのが良かった。もし他の人も残っていたら家庭科室に伸びる列に便乗して並ばれて収拾がつかなくなるところだった。
俺が家庭科室について作ったのは雨で大分気温が低くなっていたのでビーフシチュー、パン、そしてお土産にもできるマカロンだ。まあ世界大会用に試作したなんて真っ赤な嘘で裏のチャンネルに入って大急ぎで作ったんだけどね。…牛肉の在庫で一番低ランクが白毛シンデレラ牛の肉だったのでそれを使ったんだが、そこはご愛嬌ということで。それ以外だと捕獲レベルが三桁以上だしね。
結果、振る舞った人たちの反応を見るに新ちゃんの情報が外に漏れる事はないとは思う。ある意味、これは俺の挑戦ともいえるな。人に(事件の話を)話したい功名心VS俺の料理、のね。…今更ながら学園祭での事件、原作にあったような。確か新ちゃんが初めて解毒剤で元の体に戻るだっけ。なーんで教えてくれなかったのかな…
俺は手伝ってくれた幼馴染みたちにちょいと多めのお土産を渡して紅葉を家に送って工藤邸にやってきて呼び鈴を押した。
「いらっしゃーい、龍斗君」
「こんばんは、有希子さん。新ちゃんは起きてます?」
「ええもちろん。…それで、その手に持っているのは?」
「え?ああ、お土産です。夕ご飯…もしくは朝にどうぞ」
「あっら、そんな気を遣わなくてもいいのに〜それじゃあお夕飯に頂こうかしら」
「あ、それなら俺も便乗してもいいですか?実はまだ食べてなくて。量は四人分ありますし」
「ええ、いいわよー…新ちゃーん、お台所にきなさーい!」
そう言って、有希子さんは俺を伴い工藤邸の食卓のある部屋へと進んだ。
呼ばれてきた新ちゃんが席につき、持ってきたシチュー、パン、サラダを三人で食べた。有希子さんに「龍斗君のお料理を食べられることを喜んでたけど、こんな時間にこんなにお腹いっぱいに食べたら太っちゃう…」と言われた以外は大絶賛だった。…そう言えば有希子さんもうちの母さんと同じでもうアラフォーか…
夕ご飯を食べた後、有希子さんはお風呂に行ってしまった。さて。
「それで。新ちゃん。いつの間に元の高校生に戻ったの?」
「えーっと、だな…」
「まあ、戻ったのならいいよ?でも、なんであーんな派手に登場するかな?自分が身を隠すことになった理由は新ちゃんが一番わかってるでしょう?」
「い、いやあ真実が分かったらいてもたってもいられなくてな…」
「その目立ちたがりな所、コナンになる前ならともかく。あんな組織に関わった今だと命取りになるよ?新ちゃん、自分の命だって自分で守れないでしょう?」
「なっ!?龍斗、それは言いすぎじゃねーか?」
「自分で自分を守れない」という言葉にどうやらカチンときた様子でふてくされたような態度をとる新ちゃん…はあ。なんで毒薬を飲まされるような事態になったのに分かってないのか。
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