第三十七話 -学園祭、事件の後始末-
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それで龍斗君なんだけど、このままだと新ちゃんの事がばれちゃうと思ったんでしょうね。マイクを借りてこう言ったのよ。
『皆様、このような不幸なことで折角の学園祭の思い出が残ってしまうのは本意ではありません。しかも我が2年B組の劇の時間にそれが起こったなどと私としても心苦しい。そこでどうでしょう?先の彼が言ったようにこの場の皆様の心のうちに留めて頂けるのなら、今から皆様に私の料理を振る舞いたいと思います。これは世界大会に向けて試作したものですが味は保証します!さらに私が世界大会で優勝した暁には、皆様にはパーティにご招待します!その参加の条件はただ一つ!たった今起きた事件を誰にも話さない、発信しないこと。勿論、校内の人間にもです。つまり犯人も、解決した工藤新一についても一切なかったことにすること。もし、今後ネットに犯人…の名前は出るかもしれないので工藤新一の名前が流れた場合、世界大会後のパーティは開催いたしません!…優勝する保証はない?もし、これから振る舞う料理を食べた後にそう思うのならそして変な噂を立てられたいのならどうぞ?ですが後悔はさせませんよ?』ってね。
彼の言っていた仕事って言うのはその料理を振る舞う事じゃないかしら?多分、今回の事件で工藤新一の名前は世間には出ないと思うわよ?龍斗君の料理を食べて、しかも次の機会が約束されてるのにそれをふいにする人間なんて存在しないわよ。それに元々事件についての事も言われてたしね。新ちゃん、龍斗君と服部君に感謝しておきなさいよ?」
「…ああ」
全く。いつも迷惑ばかりかけてんなあ…オレ
「あーあー。新ちゃんが帰るってんで私も食べ損ねちゃったのよ?龍斗君のお料理!私、海外に住んでるから新ちゃんほど食べる機会に恵まれてないのに〜!!」
「まあまあ。龍斗の奴、母さんが来てたことに気付いてたんだろ?だったらちゃんとなんか持ってきてくれるって」
「…そうよね!?あの子、本当にいい子だからそういう気づかいしてくれるわよね!?はぁ、楽しみだわ〜世界大会に向けての龍斗君のお料理〜♪」
はあ、さっきまで落ち込んでたくせに今は小躍りして…我が母親ながら単純な『ピンポーン』…ことで。来たか。
「あら、来たみたいね。私、迎えに行ってくるわね」
「ああ、頼むよ母さん」
さて、何を言われるかな。
―
体育館での呼びかけの通り、家庭科室で俺は事件に巻き込まれた人たちに料理を振る舞っていた。料理を作る、注ぐ、連絡先を聞く、列の整備をすると人手が俺と紅葉の二人じゃ足らなくて幼馴染み’sとシャロンさんに手を借りてしまったのは失敗だった。まあ皆笑顔で手伝ってくれたのが幸いだけど。事件が起きてから5時間たった19時。関係ない人間は先生方と警察が帰していたので校内に残っていたのは事件に巻き込まれた人だけだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ