第三十七話 -学園祭、事件の後始末-
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さて、体育館で倒れた新ちゃんは無事に目を覚ました。自身の体がまだ高校生である事に戸惑っているようだけど今のところ問題は無さそうだ。…っと。
「それじゃあ、俺はお仕事に行ってくるよ」
「え?」
「ああ。そやったな。龍斗、がんばってや。オレらも後から行くさかい」
「久々やし、ウチも楽しみにしとるよ」
「まあ量的に小腹を膨らませる程度になるとは思うけどね。楽しみにしてて?新ちゃんは…後で家に持っていくから起きといてよ?」
「??」
「じゃあ、ウチも手伝います。注いだりするのに人手は必要やろ?」
「ん?ああ、そうだね。じゃあお願いするよ、紅葉」
「任せといて。それじゃあ皆、また後でお会いしましょう?」
そういうと俺と紅葉は家庭科室へと向かった。さあて、料理人としての腕を振るいますか。
――
学園祭二日目の夜、オレは保健室からそのまま工藤邸…まあオレん家に帰ってきた。蘭達はドレスの着替えや荷物を取りに保健室で別れ、服部たちも龍斗に会いに行った後そのまま大阪に帰るという事で保健室で別れた。
…それにしても、本当に元の姿に戻れるとはな。戻れたはいいがこれはこれで今までのようにはいかなくなったな。普段の生活でも気を配らなきゃいけねえし。最近だと勝手に人の写真撮ってネットに上げる不届きものが多いし…龍斗の苦労がようやく分かったぜ。アイツも有名人だからな。普段出かけるときは軽い変装してて、めんどくさがってる姿を何度も見てたし。…龍斗、か。オレも話したいことがあるがいつ来るのやら。それにしても仕事ってなんだったんだ?
「それで?オレが気絶している間に何があったんだよ?龍斗は仕事って言ってけど」
「あんらぁ〜?何よ、その口のきき方は。実の母親に向かって」
「…オレが気絶している間に何があったのでしょうか?お母様」
「そうそう、母親は敬う物よ?新ちゃん」
「はいはい…」
「それで、何があったかだったわね?新ちゃんが気絶した後、体育館内は結構騒然となってたわよ?連行される犯人と警察の方に幾分か目線はいってたけど流石にあんなど派手に推理ショーしていた張本人が倒れるだもの。私も肝が冷えたわ。すぐに駆けつけたかったんだけど新ちゃんの近くにいた龍斗君が駆け寄ろうとした私に目線で『大丈夫ですから』って語りかけたから踏みとどまったわ」
「龍斗が?」
「ええ。私も変装してたんだけど、昔から彼にはばれるのよねえ。それに私が教えた変装術も私以上にこなしちゃうし…才能って怖いわねえ」
ああ、そういえば母さんが変装してても龍斗はいっつも一目で見破ってたな。
「最近だと変声術もマスターしてんぞ、あいつ」
「あっらまあ!ますます置いてきぼりにされちゃうわね。私が変装術を教わったお師匠みたいじゃない…っと。話が脱線しちゃったわね。
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