第三十六話 -学園祭、黒衣の騎士-
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ちゃんに入れ替わってたけどいつの間に?」
「えぇ!?龍斗君、気づいてたの!?」
「黒衣の騎士の登場シーンの着地音がね。ちょっと…(重かった、とは言えないよなあ。体格的には新出先生の方がいいから重いはずだし。)」
「着地音…?」
「ま、まあ。なんだ。新出先生の体重じゃ出ないような音だったからさ。それで、気になって観察してみればよく見たことある人物だなって。彼の体重の音なら納得だし」
「うへぇー。もしかして龍斗君、歩く音とかで体重が分かったり?」
「あはは…これでも無手の古武術を仕込まれてるから。その気になれば間合い(身体の長さ)とか体重、利き手足、隠し持っている武器なんかは2,3歩歩く姿を見れば分かるよ」
「何それ初耳…まあそうよ。黒衣の騎士スタンバイの時に彼が来たのよ。それで…」
「私が彼に役を譲ったんですよ。蘭さんのKnightは工藤君が良く似合いますからね」
「…というわけで、彼に急遽代わってもらったってわけ」
なるほどねえ。しかしシャロンさん、ナイトの発音が妙にネイティブだったな。
「じゃあ、あのいきなり抱きしめてからのキスは園子ちゃんの差し金ですか?台本無視でびっくりしたやんか」
「あはは…あっちの方が面白そうだったから!だいじょーぶよ、何だかんだで新一君のアドリブ力はあの工藤有希子譲りで抜群なんだから!なんとかなってたわよ…多分」
「それに付き合う、演技力皆無な俺にも気を配ってほしかったよ…」
「それはごめんね…」
「まったく…」
「…それで?私の体重も知ってるのかしら?」
「あはは…普段は一々調べたりしてませんから(スタイルいいのにそう言うのは気にするんだ…)」
「その言葉、信じるわよ?それと、女性の体は秘密で美しくなるものよ?」
「…俺って考えている事顔に出やすいですか?」
「そうね、正確にわかるわけではないけど私にとっては容易い事よ?ボ・ウ・ヤ♪」
クラスメイト達と雑談する事、事件が発生して3時間ちょっと。舞台裏で待つ皆も辟易とした表情を浮かべ始め日も落ちた頃、事態が動いた。
「いや…これは自殺ではない。極めて単純かつ初歩的な…殺人だ。そう、蒲田さんは毒殺されたんだ。暗闇に浮かび上がった部隊の前で…しかも犯人はその証拠を今なお所持しているはず…ボクの導き出したこの白刃を踏むかのような大胆な犯行が真実だとしたらね…」
舞台裏から様子をうかがっていたが、黒衣の騎士の仮面を脱ぎその表舞台には決してあげてはならない顔をさらしていた…晒してしまった。
突然の登場に体育館内は騒然としたが、新ちゃんは一言で静めてしまった。…あんなセリフよくもまあ素面で言えるなあ。…あ。平ちゃんも来てたんだ。新ちゃんはその後、殺人事件の謎を解き明かした。…そろそろやばそうだな。
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