第三十六話 -学園祭、黒衣の騎士-
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「シャッフルロマンス」を上映いたします…ごゆっくりご鑑賞ください…』
「ああ…全知全能の神ゼウスよ!!!どうして貴方は私にこんな仕打ちをなさるのです!?それとも、この望みもしないこの呪われた婚姻に身を委ねよと申されるのですか!?」
俺達2年B組の劇、「シャッフルロマンス」が始まった。俺と紅葉は客席から見て左側の舞台袖で出番を待っていた。と、いっても俺達の出番は終盤なので今は袖から劇の方を楽しんでいる。
「蘭ちゃん、緊張であがったりはしてないみたいやね」
「そうだね。…ちょいちょい、聞いたことがある声が客席から聞こえてくるけど」
「小五郎さんの「蘭ちゃん、空手や空手!そないな連中いてもうたれーぇ!!」…と、和葉ちゃんやね。…演劇の鑑賞中のマナーとしてはアカンのやけど」
「まあ、あの二人らしいっちゃ、らしいよね…おっと、黒衣の騎士の登場…だ?」
「どないしたん?龍斗。この劇の見せ場やん」
「あ、ああ。なんか着地した時の音が…」
「音?」
シャロンさんが扮する新出先生だ。体格を誤魔化してはいるが体重については故意に合わせてはおらず、あの装いでも50kg前後のはず。だけど今の着地音は…
「あれ?なんや?台本とちゃう…?」
――――キャーーーーーーーー!!―――
至高の渦にのまれてしまっていた俺を引き戻したのは絹を裂くような悲鳴だった。そしてそれに起因して感覚を広げた俺は、今日感じた違和感の答えを知った。
―
どうやら、劇を鑑賞していた男性が毒殺されたらしい。事件が起きた際に体育館にいた人間は事情を聴くために体育館から出ることを警察に止められて、体育館の出入り口は警官が歩哨に立つようにして外から中の様子が分からないようにされた。
中に残った俺達は事件解決まで捜査の様子を撮影することがないように携帯の電源を落とすように言われた。撮影していた場合、最悪公務執行妨害の罪が科せられる可能性があることを示唆され、皆が素直に従っていた。舞台袖にいた俺や紅葉、他の同級生たちは舞台裏に待機する事となった。例外は悲鳴が上がった時、舞台にいたのは見せ場の場面のために黒衣の騎士と蘭ちゃん…いや、感覚を広げた事で分かった。高校生の工藤新一だ。彼らは110番で呼ばれた目暮警部たちの傍に行っていた。新ちゃんが新一に。そして、コナンは変装した哀ちゃん。何故教えてくれなかったのだろう…
「あーあー。さいってい!変な事件は起きるし、劇は中止になっちゃうし…おまけに雨が降ってくるし。せっかくのお祭りムードが台無しよ…ねえ?新出先生?」
「こうなっては仕方ありません。諦めましょう…」
窓から雨模様の空を見ていた園子ちゃんがシャロンさんにそう言っていた。確かに気落ちしてしまうね…そうだ。
「ねえ二人とも。中身が新
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