番外編1 〜昔語り1〜
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がいなくなったタイミングで食材を抱えそして家に戻る。一度、俺達と同じような境遇の子供が勇み足を踏み黒服を着た大人にばれた所に遭遇した。そこで見て聞いたことは一時のトラウマだ。……あいつらはその子のことを「食材」と呼んだ。人か猛獣かに食わせるのかは知らないが、あの子の運命はなにがしかの胃袋の中という事を思い知ってしまった。(原作で美食會の中の奴らには人を指して美味そう、という人種がいることを知ってはいた。だが、実際に何でもない状況で遭遇してしまい俺は言いようのない吐き気に襲われたんだ。そうして…)俺は声もなく泣いた。帰ってこなかった俺の家族は……
そして、王都の事、王都での生き方を俺は教わった。俺達の荒野は王都の唯一の窓口である鉄道の駅から中央にあるグルメカジノを挟んで真反対にあること。そのおかげで、グルメカジノ目当ての客を目当てにする荒れくれ者どもが荒野とグルメカジノの直線上には存在しなく、いるのは浮浪者のみである事。とある場所に子供を捨てる専用のようになっている場所があること。そこの行ってみたが何もなかった……いや、あの光景を見た後なら分かる。黒服たちが回収してるんだ。…俺も一歩リュージが遅ければそうなっていたのか。……定期的に俺のグループのリーダーたちはここを見回り、2〜3歳くらいの子が捨てられていて、大人がいなくて回収できるようだったら回収しているそうだ。なぜ2,3歳かというと乳離れできていない、もしくはしてすぐの子はあの環境に耐えられず。5歳以上で捨てられた子は普通の食事をしていた記憶から俺達の食事に絶えられずグループに、家族に馴染めずに出て行ってしまうのがほとんどだから、だそうだ。色々と説明を受け、最後に言われたのはサブリーダーを逃がせ。だった。俺もそうして生き残らされた、とも。それが俺達の誇りなんだと。……リュージが行っていたことが胸に去来した。
「ゴミ捨て場」…俺達が便宜上そう呼んでいる場所はグルメカジノでのごみが捨てられている場所だった。そのおかげというか、残飯の割に美味いものだったわけだ。奇跡的に餓死者がでないなと思っていたが結構上等なものも含まれていたのだろう、必然だったというわけだ。まあ、奇跡を言うならあの荒野に捕獲レベル1以上の存在が皆無だったという事が奇跡なんだけどね。いたら俺らの家族は皆仲良くそいつの腹の中だ。
そこはおいといて。サブリーダーとして食材調達の任に慣れてきた俺はふと気づいた。普段は食えないと回収から省いていた黒く、固い、小粒なもの。そう種みたいな…こいつ、育てられるんじゃね?と。そう思い立った俺は普段のノルマの残飯と腐敗物に加えて腐敗物の量を増やして使われていない屋根のない小屋で育ててみることにした。結果は成功。樹になるトマト…のようなものがなっていた。運が良かったのか(だいぶ後になって俺の食運が導いた結
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