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名探偵と料理人
第三十五話 -学園祭前-
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娘だよ?前に一度ばれかけた時俺が変装して事なきを得たことがあるけど。しばらくしてから蘭ちゃん自身がキッドに変装されたことがあって。そこから有希子さんが俺達と遊んでた時にお互いの顔を変装して遊んでいたのを思い出したのかもしれないし。ただ、有希子さんがコナンの正体を知っていないとそこは思い当たらないだろうけど…」
「いや。母さんが一回俺の正体を誤魔化したことがあったから…母さんが龍斗を変装させたっていう推理に思い当たっても不思議じゃねえ。まあ実際は龍斗が自分で変装しただけどな…他にも思い当るところはいっぱいあるんだ。今からそれを誤魔化すにはオレが分身でもしねえと無理って感じだぜ」
「なんや、龍斗。そないな特技があったんかい」
「あ、ああ。まあね」
「でも、わからねえ。なんでそこまで分かっててオレにそれを言わねーのか」
「「…」」

その言葉に思わず顔を見合わせてしまった俺と平ちゃん。ため息を一つついて平ちゃんが話し始めた。

「相変わらず人の心を読めても自分の事となるとさっぱりやのう。あの姉ちゃんが気ぃついたのをだまっとる理由はただ一つ…」
「な、なんだよ」
「待っとるんや。お前の口から直接、話聞かせてもらうんをな!!…こうなったら腹くくって、洗いざらい話してもうた方がええんとちゃうか?」
「バーロ…人の苦労をしょいこんで自分の事のように心配して泣いちまうようなお人よしに。ンなこといえるわけねーだろ…かといって張りつめた蘭をこのまま欺き通す自信はない…ホントは全部話して楽にしてやりてーんだ…」
「…新ちゃん」
「なあ。龍斗、服部。二人ならどっちだ?どっちを選ぶのが正解だと思う?」

その言葉に平ちゃんと俺は返事を返すことはできなかった。…いや、俺は返せなかったのではなく返さなかった。こと、このような事に関して俺は非常識な解決策をごり押ししてしまうだろうから。
っと。そういえば。

「それで?話変わるけど、俺もいてよかったってなんだったんだい?」
「ん?おおう、そやったそやった。なんや、龍斗。あのちっさい姉ちゃんに何か言うたんか?」
「ちっさい姉ちゃんっていうと…哀ちゃんの事?いや、特に心当たりはないかな?そもそも最近会ったのは新ちゃんの手術の時が最後だし。どうしたの?」
「いんや。実は阿笠のじいさんがな。ちっさい姉ちゃんが龍斗の事を怪しんでるみたいだっていうとったんや。どうすればいいか分からんからこっちも相談に乗ってくれってな」
「??んん??分からん。分からんけど、気に留めておくね」
「おう」

そんな話をしていると花を買いに出ていた四人が戻ってきて。少しだけみんなで話して解散した。








そして学園祭が始まり、二日目に突入した。
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