第三十五話 -学園祭前-
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俺と紅葉は三人から少し後ろを歩いてひそひそ話をしてさっきの蘭ちゃんの事を話していた。
「(まずいなあ。そうだとすると、俺も疑われてるかも)」
「(なんか心当たりがあるん?)」
「(いや、新ちゃんが手術中に新ちゃんの親に電話しに行った…)」
「(た、龍斗にしてはあほなことをしなさったな!?どーするん?完全に知ってて黙ってるてばれとるやんか)」
「(どうしよう…ん?)」
「どないした、龍斗」
「いや、病室が騒がしいなって」
新ちゃんの部屋は個室だ。なので今は無人のはずだが。『あんた何考えてんの?ユリなんて買うてきて!』『うっさいやっちゃなあ、花やったらなんでもええやないか!?』ああ。この声は…
前に歩いていた三人もこの声に気付いたのか。学園祭についての話を中断して病室に入った。
「アホ!ユリはなぁ。首が落ちるいうて縁起が悪いんや!根付くような植物と同じで病院に入院している人に贈る花とちゃうんやで?!」
「そやったら、初めからそういうとけボケェ!!」
「服部君と和葉ちゃん…どうしたの?」
ああ。やっぱり大阪の幼馴染みの二人だよね。
「おう!ボウズが大けがしたっちゅうから学校帰りに飛行機のってきたったんや!」
「それで?どうなん?具合…」
「うん。順調に回復しててあと二、三日で退院できるんだって」
「それはええことや!…っと、それはそうと。和葉、とにかくお前の言う縁起のええ花でも買うてこいや!」
「なんや、えっらそうに…」
「和葉が道に迷わんように、姉ちゃんらしっかり案内したってや!」
「はいはい…」
そのまま、女子高生4人は新ちゃんの病室から出て行った。確か、この病院には花屋がなかったから外に出る事なるし時間がかかるな。
「んで?ホントは何しに来たんだよ?わざわざユリなんか買ってきて人払いしてまで」
「なーんや、ばれとったのか。まあええやんか。腹撃たれた同士、仲ようしようや!…なーんてな。実は昨日の晩に阿笠っちゅうじいさんから電話があってなあ。龍斗がココにいたのは手間が省けたわ」
「「え?」」
俺も?
「オマエの相談に乗ったってくれちゅうんや!」
「相談?」
「なんや知らんけど、工藤…おまえ…あの姉ちゃんに正体がばれそうなんやってな!」
…なんで嬉しそうな顔で言うのさ、平ちゃんよ。
「ばれかけてるんじゃねえよ、ばれてんだよ!」
「え?まさか、お前からはなしたんか?」
「んなことするわけねえだろ…」
「そやったら、勘違いかもしれへんやないか。ばれると怖い怖いって思うとるからそうおもうんや」
「あー、いや。多分ばれてると思うよ?」
「なんや、龍斗。お前まで」
「そもそも。蘭ちゃんはそう察しが悪い方じゃないんだ。だってあの英理さんと小五郎さんの
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